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寝たきり状態で人工透析も……iPhone 4s欲しさに腎臓を売った男性の悔恨

文=中山介石(なかやま・かいすけ)

腎臓を摘出した際の切開の痕(「ETtoday新聞雲」より)

 2011年10月14日に発表されたiPhone 4sは、その9日前にこの世を去ったスティーブ・ジョブズが見届けた最後のiPhoneだといわれている。

 現在は国産スマホメーカーの台頭も著しく、iPhoneブームにも陰りが見えてきた中国だが、当時iPhoneは、メルセデス・ベンツやロレックスと並び称されるステータスシンボルだったといっても過言ではない。特に発売日からしばらくは入手困難で、転売ヤーが跋扈してその価格を吊り上げていた。

 それでもどうしてもiPhoneが欲しい者の中には、臓器を売って購入資金を工面する者も現れたほどだ。

 あれから9年――。台湾メディア「ETtoday新聞雲」(5月18日付)が、iPhone 4sのために臓器を売った者の”その後”を伝えている。

 中国・安キョウ省に住むその男性の横腹には、今でも切開した際の縫い痕が痛々しく残っている。しかし男性にとって、それは決して名誉の負傷ではないようだ。

 当時17歳だった男性は、iPhone 4sが欲しくてたまらなかった。しかし、そんな大金はもっていない。そこでブローカーにコンタクトを取り、片方の腎臓の片方を売る決意をする。1つ残っていれば十分だと安易に考えたのだ。

 男性は湖南省チン州市に行って摘出手術を受けると、2万2,000元(約33万円)を手に入れた。そのカネでiPhone 4sとiPadを購入したが、喜びはつかの間だった。手術中の衛生環境がよくなかったため、傷口が化膿し、体調は日に日に悪くなっていった。両親に打ち明けることもできず、者に見せた時にはすでに腎機能は失われ、身体障害者になっていた。男性は現在でもベッドの上に横たわったままで、人工透析を受けることで生命を維持している。

 男性が今でもiPhone 4sを使用しているのかは不明だが、同機種は現在、中国のECサイトでは200元(約3,000円)で売られている。一方で、男性が今なお大きな代償を支払い続けていることは悲惨というほかない。家族はブローカーと手術を行った医師を訴え、いくばくかの賠償金を得ることはできたが、男性の健康が元に戻ることはなく、後悔は一生続く。

 17歳の少年がいとも簡単に自分の臓器を売ることができてしまうとは、中国の臓器ビジネスの闇は深い。

中山介石(なかやま・かいすけ)

中山介石(なかやま・かいすけ)

1970年、神奈川県横浜市生まれ。日本の食材をハンドキャリーで中国に運ぶ傍ら、副業として翻訳・ライター業に従事している。

最終更新:2020/05/27 16:00

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