本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

不祥事が相次ぐフジHD、株主総会を異例の早さで打ち切り怒号の嵐

フジテレビ本社ビル

 毎年「荒れる」といわれているフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の株主総会。

 今年は、テラスハウス問題はじめ、不祥事が相次いで発覚したほか、株主の関心事である業績に関しても、視聴率競争でフジテレビは民放4位と低迷。2020年3月期の連結売上高は、前年同期比5.6%減の約6,314億円、経常利益は17.0%減の約348億円、営業利益は24.1%減の約263億円と惨憺たる数字で、6月25日の株主総会は、例年以上に「荒れる」と見られていたが、フジHDは新型コロナ感染拡大防止を理由に株主総会を52分という異例の早さで打ち切る暴挙に出た。

「今年、フジHDでは傘下の中核子会社であるフジテレビで、番組出演者が自殺に追い込まれた『テラスハウス』問題が取りざたされているほか、系列の産経新聞社では、記者2人が、朝日新聞記者と共に黒川弘務・前東京高検検事長と賭け麻雀をしていたことが発覚。さらに、FNNと産経新聞社が実施した合同世論調査では、委託先の社員が電話をかけずに架空の回答を入力していたデータ不正問題が明らかになるなど、信頼を損なう事件が多発しました」(報道関係者)

 不祥事が発覚した企業の株主総会では、株主から厳しい怒号が飛ぶことも珍しくないが、今回、フジHDは、新型コロナの感染拡大防止をたてに、会場に集まった株主からの質問を一人一問、質問時間は2分と限定。さらに質問内容まで制限したのだ。

 この対応に株主も激怒。一部の株主は「電通は不祥事だらけだが、質問制限はしていない」「質問時間が2分なら感染しなくて、20分だと感染するんですか?」と詰め寄ったが、議長を務めた関西テレビ放送代表取締役会長の嘉納修治氏は応じず、結局、52分という異例の早さで総会を打ち切った。

 コロナを理由に株主の追及から逃げたフジHDだが、逃げ切りを図ろうとしているのは株主総会だけではない。渦中の『テラスハウス』問題に関して、フジテレビの大多亮常務取締役は、定例の社長会見の場で「演出の強要はなかった」と強弁したのだ。

「大多常務は、出演者と番組側の間に“収録期間中はスケジュールや演出を含めた撮影方針について番組側の指示に従う”とする同意書や誓約書があることを認めながらも、“出演者に無理強いをすることはなかった”と説明しました。けれど、大多常務といえば、同局の“トレンディドラマ“の旗手で、自身の大ヒットドラマ『東京ラブストーリー』では、新人女優だった鈴木保奈美と不倫関係になった人物。プロの役者ですら、プロデューサーの指示には逆らえないんです。

 ましてやテラスハウスの出演者は素人同然。スタッフから指示があれば、『ノー』とは言えず、言いなりになってしまうことぐらい、本人もわかっていることでしょう。にもかかわらず、この期に及んでも責任回避。先に行われたフジHDの株主総会でも、この問題はスルーされた。フジは腐り切っていますよ」(フジ系列の番組制作会社プロデューサー)

『テラスハウス』に出演していた女子プロレスラー・木村花さんが急死した不幸な事件から1カ月半が経過したが、上層部は責任を回避するばかり。グループの株主総会でも、株主の追及に答えることなく、コロナを理由に株主総会を逃げ切った。

 公共の電波を預かった社会の公器としての役目を放棄して、信頼を失ったフジに明日はないだろう。

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2020/07/08 12:00
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