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政治学者・中島岳志が分析する2020都知事選【前編】

小池百合子はテレビ討論から逃亡で戦わずして勝利、左翼共闘失敗よりも不気味な桜井誠の17万票

文=萩原雄太(はぎわら・ゆうた)

 366万票を獲得し、得票率では6割近くの支持を集めた現職・小池百合子氏。下馬評通り、今回の都知事選は、彼女の圧勝に終わった。

 コロナ禍の最中に行われた今回はテレビでの討論会が実施されず、小池に立ち向かった立憲民主党、日本共産党、社会民主党の支援する宇都宮健児氏は約84万票、れいわ新選組代表の山本太郎氏は約66万票という結果に終わっている。

 はたして、この選挙結果はどのような意味を持つのだろうか? 政治学者の中島岳志氏に、今回の都知事選を振り返ってもらった。

コロナ禍を「都合よく使った」小池百合子

ーー今回の都知事選は小池百合子の圧勝に終わりました。この結果について、中島さんはどのように振り返るでしょうか?

中島 新型コロナウイルスへの対策や東京オリンピックの延期への対応など、小池氏は現職として数多くテレビに露出していました。小池圧勝という結果は4月頃から既定路線とされていました。

 また、小池氏が非常にうまくやったのが、安倍内閣の新型コロナ対策に対して厳しく迫る構図をつくったこと。通常、危機のときには与党が強くなりますが、今回のコロナ禍で安倍内閣は大きく支持率を下げています。その代わり、内閣を突き上げる姿を見せることによって、小池氏は自分の支持を集めることに成功したんです。

 その一方、いろいろなものが見えなくなってしまった選挙であったと思います。通常の選挙であれば、「4年間の東京都政の中で公約は果たされたのか? どのような仕事がなされたのか? といったマスコミでの議論や検証を通じて、有権者は投票する候補を判断します。これまで、石原慎太郎氏や猪瀬直樹氏でも行っていたことです。しかし今回、「公務に専念する」としてコロナ禍の状況を都合よく利用した小池氏は、そのような機会から逃げ、いくつかのネット討論会に参加したのみ。ネットでリモート出演できるならば、テレビにも出られるはずですよね?

ーーコロナを口実にして、小池氏はテレビ討論会から逃げた、と。

中島 複数のテレビ関係者から聞いたのですが、コロナの問題で小池氏がテレビ出演する場合、質問事項は限定されてしまうそうです。彼女は4年間の都政で、記者クラブを自らの広報のような存在に変えました。小池氏も記者クラブで自分が指名した人にしか質問をさせないし、記者の側もこの先の関係を考えて、小池氏の意をくんだ質問しかしない。そうすると、記者に迫られてしどろもどろになるような姿がカメラに映らなくなります。その結果、世間の関心は「小池さんのマスクが素敵」といったイメージだけに終始してしまい、政策の話がなされなくなってしまうんです。

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