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週刊誌スクープ大賞

安倍政権が歴代最長に…長いだけで何もレガシーのない不思議な政権として歴史に刻まれることに

 さて、IRの汚職事件で逮捕・起訴され、保釈中だった秋元司衆議院議員が、今度は、贈賄側にカネをちらつかせて偽証工作をしていたとして、逮捕された。

 秋元に頼まれて偽証を贈賄側に求めた会社役員3人も逮捕されたが、その1人は淡路明人という。その秋元と長嶋一茂が親しかったと、新潮が報じている。

 一茂が真ん中で、秋元と淡路と仲良くアロハポーズを決めている写真が載っている。一茂と淡路はハワイ仲間で、よく一緒にバーベキューやゴルフをしていたという。

 淡路という男、ウェブコンテンツ開発会社「48(よつば)ホールディングス」の社長だが、仕事はマルチ商法まがいで、確実な値上がりを謳って「クローバーコイン」なる仮想通貨を販売し、被害者が続出して、3年前には消費者庁から連鎖販売取引停止命令を受けている。

 こうしたヤバイ人間は、政治家や芸能人に近づいて、広告塔にしようとするものだ。一茂はどこまで淡路の仕事を知っていたのか分からないが、代理人の弁護士は「両名の刑事事件については一切関知しておりません」としている。

 今一人、淡路と親しい大物がいる。安倍昭恵である。山口にある彼女の「UZUハウス」に出資していて、昭恵から安倍に近づき、淡路のセミナーでは安倍とのツーショットをスクリーンに映し出して勧誘に使っていたと、「しんぶん赤旗 日曜版」(8月23日号)が報じている。

 疑惑の「桜を見る会」前夜祭にも招待されている。となれば、今回の淡路逮捕で、安倍首相夫妻との関係も問題になるのではないか。“疑惑の総合商社”安倍首相はまた寝苦しい夜を過ごすことになるようだ。

 いま安倍首相について書くと、全てが追悼特集のようになる。もはや終わった人ということだろう。

 よくいわれてきたことだが、安倍首相は、祖父の岸信介のことは尊敬しているようだが、もう一人の祖父である安倍寛のことは口にしない。

 それは、安倍が父親である晋太郎のことを話さないことと同じ線上にあるといわれる。

 政治ジャーナリストの野上忠興が、安倍寛のルーツと、安倍が父親や寛を口にしないのかを紐解いている。

 安倍寛は角島の隣の旧日置村(現在は長門市油谷)で多くの田畑や山林を所有する地主(庄屋)の家に生まれ、戦前、日置村村長や山口県議、衆院議員を歴任、1946年(昭和20一年) 1月に議員在職中のまま病気のため死去したそうだ。享年51。戦後の第一回総選挙に出馬を準備している最中だったとされる。

 角島小学校の旧校舎が建て替えられたのは45年(昭和20年) 3月であり、寛の最後の仕事だったという。

 当時、長男の晋太郎は20歳。晋三が誕生する9年前のことだった。

「晋三は『政治家としてのルーツ』として母方の祖父・岸信介のことは折に触れて熱く語ってきた。著書『美しい国へ』文春新書)でも、岸との思い出が多く語られている。ところが、『昭和の吉田松陰』『今松陰』とも呼ばれたもう1人の祖父・寛については、ほとんど語ったことがない」(野上)

 晋太郎時代から安倍家に仕えていたベテラン秘書が、野上にこういったそうだ。晋三が父の後継者として旧山口1区から衆院選に出馬した時のことだ。

「選挙区の古い後援者には岸さんよりも寛さんのほうが、はるかに人気があった。それなのに晋三君は岸さんのことばかり。だから、本人に『あんたは岸のことばかりいうが、安倍家のおじいちゃんは寛さんだ。戦争中、東條英機に反対して非推薦を貫いた偉い人だ。もう少し寛さんのことも言ったらどうか』と何度も伝えたのだが、頑として言おうとしないんだな」

 代議士に2年目となる1942年の総選挙では、大政翼賛会の推薦候補が大多数を占める中、東條内閣に反対して翼賛会『非推薦』で立候補し、特攻警察に監視される中で当選を果たす。

 野上は息子だった晋太郎から、このときの選挙の苦しさを聞いている。

「『旧制中学4年生だった俺も、親父の選挙事務所に寄ったりすると警察官からしつこい尋問を繰り返し受けた』

 バランス感覚に優れた晋太郎は『俺は外交はタカだか、内政はハトだと常々話していたが、生涯、『岸の娘婿』と呼ばれることを嫌い、『俺は安倍寛の息子だ』と誇らしげに語っていた』そうである。

 だが、晋三は、寛や父・晋太郎の反戦・平和が馴染めなかったようだ。

「晋三が若き日に出した共著『「保守革命」宣言』(96年刊)の中で岸と晋太郎について書いた文章からその一端が読み取れる。(中略)

〈父は大学以前の教育は戦前ですけれども、それ以降は戦後です。そうすると、戦争という極めて悲劇的な経験をしていますから、そのことが非常に大きく思想形成に影を投げかけていたわけです。どうしてあんな戦争になってしまったのかとか、それに対する世代的な反省とか、そういう懐疑的なところがやはり多かった。

 けれども祖父の場合は、先の大戦に至る前の、ある意味では日本が大変飛躍的な前進を遂げた〈栄光の時代〉が青春であり、若き日の人生そのものだった。だから、それが血や肉になっている。その違いが実に大きかったわけです〉

 その上で岸への傾倒の理由をこう書いている。

〈わが国の形として、祖父はアジアの国としての日本が、皇室を中心とした伝統を保って、農耕民族として互いに一体感を持ちながら強く助け合って生きていくという国のありようを、断固として信じていました。そのためには、自分は相当のことだってやるぞという感じがいつもあふれていた。それに強い感銘を覚えたことは事実です〉

 父親の自虐史観が嫌で、その父親が尊敬していた祖父の安倍寛を顧みず、戦前に満州国総務庁次長や商工大臣をやって、日本を破局に追い込んだ岸を礼賛する。

 単純といえばこれほど単純な人間もいない。岸ができなかった憲法改正を成し遂げ、今再び、日本を戦争のできる国にして、中国を侵略する。

 こんな人間に、長きに渡って国を任せていたかと思うと、背筋が寒くなる。

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