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映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』公開記念インタビュー

亀山千広『踊る大捜査線』プロデューサーが映画復帰 「ジャズもドラマづくりも大事なのはグルーヴ」

文=長野辰次(ながの・たつじ)

映画づくりと組織運営はまったく違う

『踊る大捜査線』亀山プロデューサーが映画復帰 「ジャズもドラマづくりも大事なのはグルーヴ」の画像3
映画やドラマづくりの話題になると、亀山氏のトークは止まらない。

ー職場とも家庭とも違う、もうひとつ別の居場所、サードプレイスがあると人生が豊かに感じられます。人と人とが出会って、そこからセッションが始まり、スウィングが生まれる。多彩な職種の人たちが集まるテレビ局も、本来はジャズと通じるものがあるのではないでしょうか?

はっきりいうと、今のテレビ局では人と人とのつながりはかなり希薄になっている、と僕は感じています。『ジャズ喫茶ベイシー』に登場する演奏家たちは「グルーヴ感」という言葉を使っています。誰かが出てくれば、別の誰かがふっと引き、そうやって次第にグルーヴ感が生じていく。僕がドラマをプロデュースしていた時は、群像劇スタイルのものが多かったんですが、グルーヴ感をどれだけ出せるかが群像劇の面白さなんです。グルーヴ感を意識して、ドラマをつくっていたことは確かですね。『ロングバケーション』なんて、とてもシンプルな人間関係でしたが、『踊る大捜査線』はシリーズを重ねたことで、どんどん複雑な人間関係になっていきました。どれだけ面白い人間関係をつくり、グルーヴ感を生み出せるかが、ドラマづくりの重要なポイントでしたね。そういう意味ではジャズとドラマは結びつくところがあると思います。

ーまた、がっつりと映画やドラマをつくりたくなったのではないでしょうか。

確かにね。ここまで、がっつりと映画づくりに関わったのは本当に久しぶり。物語をつくってみたくなりました。本来、僕が得意なのは、菅原さんみたいな人をモデルにしたドラマを考えること。渡辺貞夫さんの役は誰に頼もうかとか、小澤征爾さんの役は誰がいいかとか、ついキャスティングを考えてしまいます。今なら「昭和」という時代性を盛り込んで描いてみようかとかね。実際にはつくりませんよ、でもつい考えちゃいますね(笑)。

ー「踊る大捜査線」シリーズは、組織の中で個人がどれだけ自由に能力を発揮できるかというテーマを内包していました。映画づくりと組織運営は、やはり違うものでしたか?

まったく違いました。いろいろと組織を動かしている人物をドラマに登場させ、それっぽく描いてきましたが、組織運営はそう簡単なものじゃないことがよく分かりました(笑)。ドラマでは2~3日すっ飛ばして描くことが多々ありますが、実際の組織は日々状況が変わっていきます。映画も100人~200人を動かすわけですが、映画が単年単位で結果を出していくのと比べ、組織運営は先々を見通してやっていく必要があるんです。映画やドラマづくりは面白さを徹底追求していけばいいんですが、組織が大きくなるとやはり難しい。でも、本当は同じであるべきだと思います。ジャズ界に新しいアーティストが現れるかどうかは分かりませんが、映像の分野ではジャズ的なグルーヴ感を持った新しい作品が現れつつあります。これまでとは違った、また面白い時代になってきているのかもしれません。

(取材・文=長野辰次、撮影=石田寛)

『踊る大捜査線』亀山プロデューサーが映画復帰 「ジャズもドラマづくりも大事なのはグルーヴ」の画像4
©「ジャズ喫茶ベイシー」フィルムパートナーズ

『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』
監督/星野哲也 編集/田口拓也 エグゼクティブプロデューサー/亀山千広
プロデューサー/宮川朋之、古都真也
出演/菅原正二、島地勝彦、厚木繁伸、村上“ポンタ”秀一、坂田明、ペーター・ブロッツマン、阿部薫、中平穂積、安藤吉英、磯貝建文、小澤征爾、豊嶋泰嗣、中村誠一、安藤忠雄、鈴木京香、エルヴィン・ジョーンズ、渡辺貞夫(登場順)ほかジャズな人々
配給/アップリンク 9月18日(金)よりアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
c)「ジャズ喫茶ベイシー」フィルムパートナーズ
https://www.uplink.co.jp/Basie

亀山千広(かめやま・ちひろ)
1956年静岡県三島市生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、1980年にフジテレビに入社。『ロングバケーション』『踊る大捜査線』『ビーチボーイズ』などの人気ドラマのプロデューサーを経て、2003年から新設された映画事業局局長に。2013年にフジテレビ社長に就任。2017年からはBSフジの社長を務めている。映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98)、『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03)を大ヒットさせ、著しい功績をあげた映画製作者に贈られる藤本賞を2度受賞。その他、『スウィングガールズ』(04)、『それでも僕はやってない』『LIMIT OF LOVE 海猿』『THE 有頂天ホテル』(06)、『容疑者Xの献身』(08)、『そして父になる』(13)など多くのヒット映画を制作した。

長野辰次(ながの・たつじ)

長野辰次(ながの・たつじ)

フリーライター。著書に『バックステージヒーローズ』『パンドラ映画館 美女と楽園』など。共著に『世界のカルト監督列伝』『仰天カルト・ムービー100 PART2』ほか。

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最終更新:2020/09/14 12:26
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