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映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』公開記念インタビュー

亀山千広『踊る大捜査線』プロデューサーが映画復帰 「ジャズもドラマづくりも大事なのはグルーヴ」

『踊る大捜査線』亀山プロデューサーが映画復帰 「ジャズもドラマづくりも大事なのはグルーヴ」の画像1
2017年から、BSフジの代表取締役社長を務める亀山千広氏。(写真/石田寛)

 興収101,5億円を記録した映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98)、日本の実写映画最高興収となる173,5億円を叩き出した『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03)をはじめ、数々のヒット作を放ってきた亀山千広プロデューサー。2013年からフジテレビ社長に就任し、映画事業から離れていたが、2017年からBSフジの社長となり、エグゼクティブプロデューサーという肩書きで久々に映画界に戻ってきた。

 亀山プロデューサーの気になる新作は、ドキュメンタリー映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』。岩手県一関市で1970年から開業を始めた、知る人ぞ知るジャズ喫茶の名店「ベイシー」を訪ね、マスターの菅原正二さんと多彩な客たちとの交流を綴った小粋な作品となっている。「レコードを演奏する」と評されるほど、菅原さんの音に対するこだわりには目を見張るものがある。亀山プロデューサーが本作を手掛けた経緯から、ジャズと映画に浸かった学生時代、ジャズとドラマづくりとの共通点まで屈託なく語ってくれた。

ー2013年に公開された是枝裕和監督の『そして父になる』、三谷幸喜監督の『清洲会議』などを制作されましたが、今回は久々の映画制作。

2013年にフジテレビの社長に就任し、映画事業からは離れていました。是枝監督の『三度目の殺人』(17)も関わっていたんですが、クレジットを外してもらったんです。7年ぶりの映画になりますか。

ー「踊る大捜査線」シリーズなどを大ヒットさせた亀山プロデューサーが、小規模公開のドキュメンタリー映画を手掛けたことを意外に感じる人もいると思います。

つくる側の意識としては、公開規模が大きいか小さいかはさほど気にならないものです。僕がいたフジテレビの映画事業部は制作費の心配はしなくてもよかったものの、その代わりヒットさせることが義務づけられていました。今回の『ジャズ喫茶ベイシー』は劇場館数も限られ、また劇映画と違って、きちんとした台本のない作品でした。台本がないゆえに、難しかったし、面白くもありましたね。

ーそもそも、亀山さんが本作のエグゼクティブプロデューサーを引き受けた経緯を教えてもらえますか?

非常にざっくりとお話しすると、僕の行きつけのバーのマスター・星野哲也がクリエイターでもあり、「ベイシー」のドキュメンタリーを撮っているので手伝ってほしいと頼まれたことから始まったものなんです。普通、客がバーのマスターに愚痴を聞いてもらうものなのに、その逆のパターンでした(笑)。星野監督の思い入れが強すぎて、制作が難航していたんです。フジテレビでは扱いにくい企画でしたが、そのうち僕はBSフジに移り、BSの視聴者層に「ジャズ喫茶文化」はハマるなというビジネス的な判断もありました。僕自身も「ベイシー」に通い、菅原さんのことを知っていたので、菅原さんの人柄や「ベイシー」の雰囲気を記録として残しておきたいという気持ちも強かった。人と人とのつながりで生まれた作品なんです。

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