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詐欺企業「ジャパンライフ」の広告になった安倍前首相 自民党幹部や新聞OBもガッチリ深い仲

政財界や新聞OBもガッチリ利権を……

 また、14年12月には、下村博文文科相が支部長を務める「自民党東京都第11選挙区支部」に10万円の献金が行われている。

 そして、問題の「桜を見る会」が15年4月に開催される。山口会長は「安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に『桜を見る会』のご招待状が届きました」と、招待状や安倍首相の写真をチラシにして勧誘に利用する。また、同社のセミナーでは招待状をチラシに大写しにして勧誘を行っていたことも明らかになった。

 この時、チラシに掲載された招待状に「60」という番号が記されていたことで、この番号が招待者の「総理枠」ではないかという疑惑が、内閣府作成の15年の仕様書から発覚して問題となっているのだ。16年12月16日に同社に対して初の行政処分として3カ月の一部業務停止命令が命じられる。その後、同社は計4回の業務停止命令を受ける。

 17年1月13日には山口会長と加藤勝信働き方改革担当大臣(現:官房長官)が会食。山口会長は加藤大臣について、「ジャパンライフの取り組みを、非常に高く評価していただきました」と紹介している。また、同時に自民党の二階俊博幹事長も宣伝チラシに登場している。

 17年1月27日、山口会長が「二階幹事長を囲む懇談会」を開催。この懇談会には、田崎史郎・時事通信社特別解説委員、島田敏男・NHK解説副委員長、芹川洋一・日本経済新聞社論説主幹などが出席していたことが明らかになっている。

 また、浅海保・元読売新聞社東京本社編集局長、橘優・元朝日新聞政治部長、岸井成格・毎日新聞社特別編集委員、倉重篤郎・毎日新聞社専門編集委員、後藤謙次・元共同通信社編集局長らの名前もあがった。

 特に橘優・元朝日新聞政治部長は14年ごろからジャパンライフの顧問を務めていたことも明らかになっている。ちなみに、同社の顧問には、永谷安賢・元内閣府官房長、中嶋誠・元特許庁長官、佐藤征夫・元科学技術庁科学技術政策研究所長・元JOC(日本オリンピック委員会)理事、松尾篤・元経済企画庁長官秘書官などの官僚OBも就いている。

 また、同社の「お中元発送先リスト」には安倍首相や麻生太郎財務相、菅義偉官房長官らの名前が記載されていたとの報道も出ている。

 同社は17年12月26日に倒産する。

 同社との関係では、これだけ多くの政治家、官僚、マスコミ関係者の名前があがっている。85年に衆議院で集中審議が行われ、その詐欺商法に対する追及が行われたにもかかわらず、14年まで行政指導が行われず、16年まで行政処分が行われなかったことに、政治家や官僚、マスコミとの関係に対して疑惑が生まれるのは当然のことだろう。

 しかし、安倍首相の退陣ですべての疑惑は、闇の中に持ち去ってしまったのかもしれない。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2020/09/23 20:00
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