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菅内閣は増え続ける若者の年金負担をどう切り抜けるのか?65歳以上高齢者30万人増加で過去最多

高齢者も働ける?働かされる?

 60歳で定年を迎え、65歳で再雇用等を終えても、6割の高齢者が仕事を続けており、そのうち約8割は非正規であり、さらに半数はパート・アルバイトでも働いていることを考えれば、高齢者の生活が“決して楽ではない”ことがわかる。

 前安倍晋三政権は、働き方改革を進め、高齢者・女性の就業促進を図った。この働き方改革は非正規雇用を増加につながるなど、大きな歪みを産み出したことは明らかだが、高齢者の雇用促進についても、09年から19年の10年間で正規雇用者は37万人の増加にとどまっているのに対して、非正規雇用者は231万人も増加していることで明らかだ。

 国際的に見ても、日本の高齢者の就業率は非常に高い。以下は主要国の高齢者就業率だ。

 <主要国の高齢者就業率(%)>
韓国 日本 米国 カナダ 英国 ドイツ イタリア フランス
32.9 24.9 19.6  14.3 10.7  7.8   5.0    3.3

 韓国を除けば、多くの主要国では2割以下の高齢者しか働いていない。特に欧州では1割以下にとどまっている。良く言えば、「日本は高齢者雇用・就業が進んでいる」だが、実態は「高齢者になっても働かないと食べていけない」ということだろう。

 この高齢者の姿は、現在の高齢者だけにあてはまるものではない。今の現役世代、若者たちには“より厳しい現実”が待ち構えていることを覚悟しておかなければなるまい。願わくば、悪しき時代が到来しないように菅義偉首相には、適切な政策を実行して欲しいものだ。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2020/09/27 17:04
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