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泣くな、岸田君! 宏池会の憂鬱(2)

菅総理に300票差でも…ナベツネほか日本の頭脳が岸田氏を担ぎ上げるまさかのワケ

岸田氏を見捨てない開成高校OB 卒業生にはナベツネも

 永田町では四面楚歌気味の岸田だが、母校、開成高校のOBからは未だ、岸田首相待望論が止まない。その中核となるのが開成高出身の国会議員や霞が関の官僚ら約600人が所属する「永霞会(永田町・霞が関開成会)」だ。岸田が2017年9月の同会設立時から会長を続けているため、発足当時から「ポスト安倍レース」に備えた岸田の応援団と見られていた。

 麻布、武蔵と共に、男子校の御三家の一角を成し、東大合格者数では30年以上にわたりトップを走り続ける開成高校だが、意外なことにまだ首相を一人も輩出していない。麻布高は橋本龍太郎、福田康夫の両首相、そして、武蔵は旧制高ながら宮沢喜一を輩出しているのに開成高卒の首相は誕生できずにいる。とはいえ、各界で活躍する開成高校OBは多士済々で煌びやかだ。

 元大蔵・財務次官で現在、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の事務総長を務める武藤敏郎を含め、開成は五人の財務次官を戦後輩出している。他省庁ながら、経済産業事務次官を務めた嶋田隆も開成OBだ。官邸を見れば、政権交代後も国家安全保障局長のポストに北村滋氏が留まる。北村はその前の内閣情報官時代、安倍前首相側近としてメディアを使って様々な情報戦を仕掛けた。

 前川喜平元文科次官(ライバル校麻布高校出身)の「出会い系バー通い」を読売新聞にリークしたのも北村周辺と言われる。その読売だが、主筆として、現在もグループのトップに君臨するナベツネこと渡邉恒雄が開成高OBだ。

 永霞会のメンバーで現役キャリア官僚の一人は「悔しいが未だ開成高校から首相は出ていない。開成の初代校長が高橋是清なので、これをカウントすれば、開成関係者から首相が出ていると言えない訳ではないが、やはり言い訳じみていて苦しい。だから、我々OB一同は何としてもいつの日か、岸田氏を総理にしたいと思っている。いや、必ずしてみせる」と息巻く。

「永霞会」の事務局長で現在、菅内閣で万博担当・内閣府特命担当大臣を務める井上信治(麻生派)の活動報告ブログによると、メンバーは岸田を筆頭に国会議員が8人で官僚は600人以上いるという。今年2月19日には設立総会以来となる第二回総会が開かれたが約250人が集まり結束の強さを見せた。

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