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コロナ対策費用が困ってる所に回らない現実

　さて、文春は57兆円もの血税をつぎ込むとしているコロナ対策費用が、本当に困っている中小企業や病院などに回っていないと追及を続けている。

　文春がいいのは、持続化給付金が中抜きされていた問題や、GoToトラベルやイートの一部企業への優遇など、連続追及しているところだ。

　週刊誌の悪いところは、読者の食いつきが悪かったりすると、すぐに止めてしまうところだが、文春は違う。コバンザメのように食いついたら離さないしつこさが、追及される側には嫌だろうが。

　文春は、政府はこれまでもコロナ対策として、4月の一次補正で25兆5655億円、5月の二次補正では31兆8171億円、合計で約57兆円にも及ぶ予算をつぎ込んできた。

　だが、一次補正におかしな補助金が紛れ込んでいるというのである。

　経済官庁幹部が、「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」に問題があると指摘している。

「コロナの拡大感染拡大を受け、生産拠点を海外から日本国内に移したり、輸入に依存してきた製品を国内で生産するための拠点整備に対して支給される補助金である。
一次補正でも二千二百億円が計上されていたが、十月十六日、二十年度の予備費から八百六十億円の上乗せが閣議決定された。
『この補助金は制度設計が甘く、大企業優遇の政策になっています。本来の目的とは異なり、　大企業が以前からやりたかった設備投資にコロナ対策の名目で補助金が投入されている。しかも一社につき上限百五十億円の大盤振る舞い。あまりにお得なので、二千二百億円の予算に対し、約一兆八千億円分の応募が集まりました。今回追加の予算措置があっさり決まったのも、大企業からの応募が殺到したためです』」と、経済官庁幹部が話している。

　この計3000億円超にも及ぶ大企業補助金を主導したのは、一体誰なのか？

「サプライチェーン補助金の担当は、経産省経済産業政策局の地域経済産業グループ。トップは菊池桃子の夫、新原浩朗経済産業政策局長です

　新原氏は一次補正の編成時から、今井尚哉首相補佐官(現内閣参与)の意向を受け、財務省幹部を自らの局長室に呼びつけるなど権勢を振っていました」（経産省関係者）

　さらに、最近被害が多発しているのが、電子クーポンの不正取得だという。10月1日から宿泊費の割引に加えて「地域共通クーポン」の発行が始まったGoToトラベルは、旅行代金の15%相当が土産物屋などで使えるクーポン券として還元される仕組みで、紙のクーポンと電子クーポンの2種類がある。

「宿泊先でクーポンを受け取る場合、電子クーポンはチェックイン当日の午後三時以降、スマホで予約番号などを流入力すれば発行される。これを悪用し、クーポンだけ受け取ってチェックインせず、キャンセル料も払わないという事例が相次いでいるのです」(社会部記者)

　キャンセルになった宿泊費の総額は約400万円に上ると高級ホテルの幹部が嘆いている。
GoToトラベルが犯罪の温床になっているようだが、国交省関係者によれば、「実はこうした一連の被害には“共通点”があるというのだ。

「旅行予約サイトの『るるぶトラベル』を経由した予約に、被害が集中しているのです。るるぶトラベルと他の旅行サイトとの決定的な違いは、予約の際に会員登録もクレジットカード情報も要らないこと。そのため、偽名や嘘の住所でよくすることができる。このサイトを運営しているのか、JTBです」

　そう指摘するのは、関東近郊のリゾートホテル支配人だ。

「政府内で期間の延長が検討されているGoToトラベルだが、まずはこうした問題に早急に手を打つ必要があるのではないか」（文春）

　その一方で、コロナ禍で疲弊し喘いでいるのが、医療現場。日本病院会など3団体が行った調査によれば、4月には全国1203の病院のうち、コロナ患者を受け入れた病院の約8割が赤字に陥ったというのである。

「政府は医療機関への支援策として『緊急包括支援交付金』を創設した。感染拡大防止対策にかかる費用の補助などで、四月の一次補正では千四百九十億円、五月の二次補正では二兆二千三百七十億円を計上しました」(厚労省担当記者)

　だが、その支援金が今も十分に行き渡っていないとようだ。

　日本病院会副会長の島弘志がこう明かしている。

「十月十二日から、全国の病院対し、支援金の請求額と入金額を調査しました。全体の三分の一の回答を得ましたが、浮き彫りになったのは、地方の病院の窮状です。支援金は都道府県を通して支払われますが、十月三十日時点のデータでは、山梨、徳島、佐賀、宮崎、鹿児島の五県で、回答を得られた病院への支援金の入金がゼロなのです」

　必要なところにはすぐに回らず、大企業へは手厚い。GoTo何とかも、悪い奴らに悪用されるのでは、血税など使うなといいたくなる。

　いまこうした問題を追及するメディアは文春しかないのはどうしたことだろう。