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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.617

1970年代リスペクトな新春アクション映画2選! 『スタントウーマン』『燃えよデブゴン』

文=長野辰次(ながの・たつじ)

ミシェル・ロドリゲス(画像左)と『ワイルドスピード』でスタントを務めたデビー・エヴァンス。

 登場する女性たちが、みんなかっこいい。人気アクション女優のミシェル・ロドリゲス が製作総指揮を務める『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』は、アクション映画の裏方であるスタントマンの中でも、さらに少数派となる女性スタントにフォーカスを絞ったドキュメンタリー映画だ。本作を撮ったエイプリル・ライト監督も女性。本作の原題は『STUNTWOMEN THE UNTOLD HOLLYWOOD STORY』。アクション映画のみならず、ハリウッドにおける女性の立場はどう変わってきたのかが分かる作品となっている。

 ミシェル・ロドリゲスのブレイク作となったカーアクション映画『ワイルド・スピード』(01)や格闘シーン満載な『キル・ビル』(03)などの名場面の数々に続いて、本作の主人公であるスタントウーマンたちの素顔をカメラは伝える。強く、そして美しい女性たちばかりだ。「アベンジャーズ」シリーズでブラック・ウィドウ ことスカーレット・ヨハンソンのスタントを務めているのはハイディ・マニーメイカー。大学時代は体操選手として鳴らしただけあって、抜群の身体能力を誇っている。一緒にインタビューを受けるのは、妹のレネー・マニーメイカー。『キャプテン・マーベル』(19)に主演したブリー・ラーソンのスタントを務めた。今やアクション映画に欠かせない存在となっている美人姉妹は、どんなオファーにも対応できるよう黙々とトレーニングに励む。

 現役を離れたレジェンド級のスタントウーマンたちも、とても魅力的だ。ジーニー・エッパーもそのひとり。1970年代に放映されたTVドラマ『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』の主演女優リンダ・カーターのスタントとして知られている。70年代はウーマンリブ運動の熱気を反映し、TVドラマや映画でも強い女性が描かれるようになった。ジーニーは女性スタントの先駆者だったが、当時の女性スタントたちを苦しめたのは怪我や打撲だけではなかった。「スタントマン協会」に女性スタントは入らせてもらえなかった。理由は「マン」ではないから。女優のスタントは男性スタントがウイッグを被って演じることが多かった。女性がスタントの世界に参入することを好まなかったのだ。

 そこで「女性スタント協会」が設立され、ジーニーは会長に就任。だが、ジーニーはスタジオ側から嫌われ、仕事を干されてしまう。そんな映画業界の偏見や頑迷さに異議申し立てるように、本作は映画の黎明期からの歴史を紐解く。かつて映画が見世物のひとつとして歴史が始まった頃は、移民や女性たちが映画の現場で大いに活躍した。だが、映画がビジネスとして大金を生み出すことが分かると、白人男性たちによって映画業界は牛耳られていく。アメリカ大陸の開拓期と同じような歴史が、映画業界でも繰り返されたことが分かる。

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