阪神・淡路大震災と共に思い出す、志村けんさんと噂になった女性たちの姿

志村けん

 先日、阪神・淡路大震災から26年目を迎えた。あの震災が起きた95年1月17日、筆者は東京・港区の南青山のドコモショップで人気コメディアンの故・志村けんさんを目撃したことがいまだに鮮明に記憶に残っている。

 筆者は、娘の親しい友人がそのドコモショップで働いていたため、たまたま店を訪れていたところを、志村さんに遭遇した。志村さんは、被災状況を中継するテレビに釘付けになっていた。

 そのとき志村さんは、自分の携帯電話ではなく、当時、人気番組だった『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)にレギュラー出演していたアイドルタレント・渡辺美奈代の携帯電話を取りに来ていたという。

 当時、志村さんが渡辺をそれほど寵愛していたということだろう。

 実際、昨年3月の志村さんの急死後に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、ダウンタウンの松本人志は、「毎日1回は志村さんのことを考えますよね。これはしょうがない。いつまで続くのかな」と別れを惜しみながらも、『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)に出演した際、「(志村さんが)本番以外は渡辺美奈代を横において、ずっと(渡辺の)膝触ってました」と暴露。さらに、相方の浜田雅功が「『おはようございます』と言っても、渡辺美奈代が挨拶せえへんのでめっちゃキレてた」と明かしている。

 志村さんの渡辺美奈代に対する特別扱いぶりが伺い知れるが、しかし、当時、志村さんが住んでいた東京・三鷹市の自宅を筆者が取材で約1週間ほど張り込みした際、志村さんの自宅に入る姿を目撃したのは、渡辺ではなく、女優・いしのようこだった。

 志村さんは、そのいしのと結婚秒読みといわれながら、結局、独身を通した。

 志村さんはその後、港区の麻布十番に引っ越しているが、そこでプライベートで可愛がっていたのが、故・可愛かずみさんと故・飯島愛さんだった。

「当時、可愛さんは女優の川上麻衣子さんと麻布十番にある同じマンションに住んでいたため、引っ越してきた志村さんと3人でよく麻布十番で飲み歩いていました。95年にプロ野球選手のK投手との熱愛が発覚した可愛さんは、結婚秒読みと言われていたんですが、K投手がケガで戦線を離脱。治療に専念するため、破局したんです。その翌年、週刊誌に志村さんとの2ショットを掲載されたのですが、“志村さんに迷惑をかけた”などと精神的に追い込まれ、リストカットを繰り返すようになったんです。その時、可愛さんを支えたのが、川上麻衣子でした」(3人共通の友人のテレビ関係者)

 その後、川上さんに代わり、当時、婚約までした会社経営者が可愛さんの面倒を看るようになっていたが、97年5月9日、可愛さんは元カレのKが住むマンションの屋上から飛び降り自殺を図った。

 筆者は、可愛さんが所属していた事務所の社長と親しかった。可愛さんが亡くなったのは、まさにその社長と電話で話している最中だった。

「本多さん、可愛が飛び降りちゃたよ」

 社長が悲鳴をあげながら電話を切ったのが忘れられない。一説には、婚約者との関係が悪化していたともいうが、それが本当の原因だったのかはいまだに謎のままだ。志村さんは、32歳の若さで自死した可愛さんを嘆き悲しんだ。

 それから約11年後のクリスマスイブ、今度は志村さんが寵愛していたタレント・飯島愛さんが自宅マンションで“孤独死”していたのが発見された。享年36歳という若さだった。このときも、志村さんはかなりのショックを受けていたという。

 そして昨年3月、新型コロナウイルスにより急死した志村さん。

 阪神・淡路大震災の記憶とともに、公私に渡って世間を賑わせていた芸能人たちのかつての姿が蘇ったのだった。

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2021/01/22 14:00
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