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ファンクラブ立ち上げ記念インタビュー

桐山瑠衣が吐露するグラビアアイドルの実情… ファンからのクソDMに悪徳事務所のギャラ問題 自分を守るために始めた試みとは?

お金がなくて、毛玉だらけの服で撮影会…グラドルは稼げない?

桐山瑠衣が吐露するグラビアアイドルの実情… ファンからのクソDMに悪徳事務所のギャラ問題 自分を守るために始めた試みとは?の画像2
いろいろあるけど、まずは元気に乾杯!?

ーーそのストレスがなくなるだけでも違いますね。このコロナ禍ではグラドルの収益確保も大事だと思いますが、やはりグラビアの仕事にも影響は出ていますか。

 私はフリーであること、さらにありがたいことにグラビア以外の仕事のおかげで、お金に関してそこまで困ることはなかったです。ただ金銭的な事情で活動ができなくなったグラドルの話は耳にします。家族の仕事がコロナでなくなってしまい就職せざるを得なくなった子や、夜の仕事に転身した子もいました。

 グラドルが所属する事務所もイベントがなくなりキツイ状況です。事務所も自分たちのことで必死なので、所属の子をきちんと見られない、守れないというところも少なくないです。

 徳重さんはご存知だと思うんですが、グラドルってそもそもお金がないじゃないですか。

ーー知ってます。そもそも給料が高くない一方、体が資本なのでボディーケアにお金をかけますよね。

 ジムには行きますし、エステなんかにも行く必要がある。私は知り合いのつてなどを使い、コストを抑えてますけれど、それでも年間で100万円は余裕で超えています。普通にやれば200万~300万円は超えるんじゃないですか。それもプロである以上は当然の投資なんですけど。

 お金がないから、毛玉だらけの服で撮影会やイベントに来る子もいます。仕事用の靴をプライベートでも使っているから、すり減っていたりします。

 事務所から保証以外のお金を必要以上に抜かれ、生活苦に陥るケースもよく聞きますね。「毎週撮影会をやっているのに、月給3000円でした」という話や、DVDを撮影したのにギャラもほとんど貰えないケースも。

 私も事務所所属時代は給料が月7万円だった時期もありますし、DVDを出しても雀の涙……。フリーになってから、当時の事務所がどれだけ抜いていたのか理解しました(笑)。

ーー悲しいですが、グラビア界の現実ですよね。

 それに今のグラビア界は力がない。昔のようにテレビ、雑誌へのリンクも強くない。力のない業界なので、足りないところは自分で補い、どうやって生活するかを考えていかないといけません。

 だから人に期待しちゃダメです。夢や目標がないと芸能の仕事は始めないとは思うけれど、今後グラビア業界がどう変わっていくかはわからない。現実を受け止め、考えて、その上で楽しんで継続していくのが大事だと思います。

 グラドルは、以前のようにステップアップの場ではないと思います。テレビに出たいと考えているのなら、競争は激しいでしょうが今はYouTubeをやって、そこで人気になるほうがいいかもしれません。

ーーグラビアが好きな人間としては厳しい言葉ではあるけれど、確かにそうですね。

 出版社は、最近デジタル写真集を出すところが増えていますけど、出してもグラドルがもらえるのは数万円くらい。

 以前は「雑誌の表紙を飾りたい!」と強く思っていた時期もありました。けど今はそういう気持ちも薄れています。もちろん雑誌にグラビアが載ること自体は嬉しいけれど、お金の面を考えると.……。有名な雑誌に載っても、ギャラは出なかったりしますし。

 ただグラビアの方でも、結構新しいコンテンツが増えています。『Model’s Link』であったり、今はこれまで参入していなかった会社の参入も増えています。そういう会社の人は純粋にグラビアが好きで「今のままじゃグラビアは終わってしまう」と心配してくれるところが多いです。

ーー17歳からコンスタントにDVDをリリースし続け、2019年の『インパクトJ』はDMMの年間アイドルDVDランキングで1位になりました。桐山さんはいわゆるアイドル顔ではないですが、どうしてこれほど長い間人気を得ていると分析してますか。

 アイドル顔じゃない分、私はニッチなファンの支持を集めているからだと思います。だって、顔もそうですけど、この体ってほかにいないじゃないですか。ボヨンとしているわけでもなく、かといって細いわけでもない。頭から足の先まで、さじ加減が絶妙なんだと思います。

 自分でいうのは恥ずかしいですが、無二の存在だからだと思います(笑)。

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今何を見つめるのか――。

ーー17歳でデビューしてから13年。グラドルの厳しい面も知っている桐山さんですが、なぜここまでグラビアを続けてこれたのでしょう。

 最初は意地ですよね。デビューする際、学校の担当に相談をしたら「応援するよ」と言われたんですが、最終的にその担任に「うちでは芸能活動は禁止だ。退学するか、芸能を諦めるかだ」と迫られたんです。大人の汚い面を最初に感じた瞬間でした。その時には既にDVDも決まってましたし、グラドルの道を進むことにしました。

 グラドルになってからはお金がなくて辞めるに辞められない部分もありました。芸能の仕事は突然入ってくるので、なかなかアルバイトもできない。

 でも、活動を続けていけた理由は、私自身がグラビア業界にそこまで期待していなかったというのもあるかもしれません。当時よくあった「グラドルから女優に」みたいな期待もなかったので。ただ目の前の仕事はすごく楽しかったし、ファンからもずっと元気をもらえているので続けられているんだと思います。

ーーSNSで受けた心ない言葉の話をしましたが、逆に桐山さんにとってうれしい言葉ってなんですか。

 やっぱり「DVD買ったよ!」「作品観たよ!」というコメントはとても嬉しいですね。DVDを手売りしているわけではないので、誰が買ったのか、どんな人が応援してくれるかわからないじゃないですか。だから、そうした声があると「桐山瑠衣としてまだグラビアの世界にいていいんだ」って思います。

 いろいろありますが、私は単純にグラビアアイドルという職業が好きなんです。そして応援してくれる人がいる。だから、この仕事を続けられていると思います。

 これからどこまでやれるのか、まだわかりません。もしかしたら「グラビアアイドル」というジャンルが消滅してしまうかもしれない。だけど、自分の経験や熱量が誰かの役に立ち、必要とされるのであれば、大好きなグラドルの灯を消さないようこれからも続けていきたいです。

プロフィール
桐山瑠衣(きりやま・るい)
フリーランスグラビアアイドル/アニソンDJ。17歳でグラビアアイドルとしてデビューし、今もなお、現役で活躍し続けている。
オフィシャルファンクラブ:https://models.link/u/ruikiriyama
ツイッターアカウント:https://twitter.com/ruikiriyamaofi

ライター。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラドルを取材。2016年にBuzzFeed Japanに移籍し、俳優、声優などのインタビューやエンタメの分析記事を担当。現在は退社しライターとして雑誌、ウェブで記事を執筆。

Twitter:@tatsunoritoku

個人メディア:https://outcas2.com

とくしげたつのり

最終更新:2021/05/25 20:00
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