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世界は映画を見ていれば大体わかる#18

『Qアノンの正体』トランプを崇拝し“トム・ハンクスは小児性愛者”を本気で信じる集団の真相にせまった傑作HBOドラマ

陰謀系映画を見れば、Qアノンがバカバカしく見える?

 そのMKウルトラ計画がテーマの映画はほかにもある。『エージェント・ウルトラ』はダメなバイト店員のマイク(ジェシー・アイゼンバーグ)が実は、MKウルトラ計画によって誕生したスーパー・エージェントだったという話。

 CIAは前科のある若者を使って洗脳を行い、スーパー・エージェントを誕生させるが被験者が全員、精神を病んでしまったため計画は中止。マイクは記憶を消され、「ダメなドラッグ中毒のバイト店員」という「設定」を与えられ、記憶が戻らないようにCIAによって生活を24時間365日監視されていた。マイクは愛する恋人のためにCIAと対決、過去を清算しようとする。

 これらの陰謀論映画は荒唐無稽な話から始まり、きれいなオチをつけてくれる。Qアノンみたいに「予定は変更になりました」とか「証拠はオレのつくったサイトにアクセスしてくれ!」なんて言わない。彼らはトランプが選挙で負けると民主主義の結果を受け入れれず連邦議会襲撃事件を起こした。最後は暴力ってこと? まったく笑えない。

 オチてないギャグを聞かされてるぐらいつまらないものはない。Qアノンからしたらギャグじゃないっていうかもしれないけど、ピザ屋の地下で子供の血を吸ってるってギャグでしかありえないよ!

 Qアノンは「真相は隠されているのだ」というけど、隠されている真相が誰でもアクセスできる匿名掲示板に書かれていたり、無職のまとめサイト管理人にでも知ることができるのなら、全然「隠されて」ないんだけど!

しばりやトーマス(映画ライター)

関西を中心に活動するフリーの映画面白コメンテイター。どうでもいい時事ネタを収集する企画「地下ニュースグランプリ」主催。

Twitter:@sivariyathomas

しばりやとーます

最終更新:2021/09/17 12:05
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