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世界は映画を見ていれば大体わかる#13

『ザ・フード ~アメリカ巨大食品メーカー』あのケロッグ誕生のウラで兄弟の骨肉の争いが…!

文=しばりやトーマス(しばりや・とーます)

『ザ・フード ~アメリカ巨大食品メーカー』あのケロッグ誕生のウラで兄弟の骨肉の争いが…!の画像1
ヒストリー・チャンネル『ザ・フード ~アメリカ巨大食品メーカー』公式サイトより

 ハインツ、ケロッグ、コカ・コーラ、マクドナルド……

 日本でも知られるアメリカの食品メーカーはいかにして誕生し、国民の食生活を変革していったか? に迫るヒストリー・チャンネル製作のドキュメント『ザ・フード ~アメリカ巨大食品メーカー』を観た。

 産業革命の時代、人々は農村部から工業化された都市部に移り住む。都市部では急激に増えた人口に対応しきれず、食糧難の時代がやってくる。

 当時のアメリカの食糧保存技術は低く、腐った肉や魚が平気で売られ牛乳は白く見える染料を混ぜて売られていた。人々は食料品の安全など信じず、食料品を買うことはギャンブルだった。1875年、若き起業家ヘンリー・ジョン・ハインツはホースラディッシュの販売を拡大するため農場を大量に買い取ったが借入金を用意できず詐欺罪で警察に逮捕されてしまう。新聞は彼を「起業家でもなんでもない。ただの詐欺師」と酷評する。彼は後に世界で初めてケチャップを「安全な加工品」として販売したハインツ・トマトケチャップの創業者である。

 一度破産を経験したヘンリーは懲りずに、安全性を追求したトマトケチャップの製造にとりかかる。トマトケチャップがまったく存在しない時代に。

 自宅の台所で苦難の末、絶妙な味わいのケチャップを作り出したヘンリーはさらにこの商品が安全であることを証明するために透明の容器に入れて売ることにする。当時の加工品は中身の見えない入れ物で売られていたので消費者は安全かどうかわからない。「中身の見える」加工品を売り出したのはハインツが初めてだった。1919年に亡くなった時、会社の利益は現在の2億ドルに相当したという。

 またはこんな話。冬はマイナス40度にもなるカナダで暮らすクラレンス・バーズアイは、野生動物の毛皮や魚をとっていた。彼の主食は冷凍食品だった。当時の冷蔵庫の技術は低く、ゆっくり冷凍していたためにすぐに腐った。魚や食料を急速冷凍して長く保存できれば冷凍食品は、安全に食べられるのではないか?

 バーズアイは急速冷凍システムを考案。凍らせた食品を未来に送り出す。誰もそんなことを考えていない時代に。ほとんどSFの世界である。魚、肉、野菜、果物……あらゆるものを冷凍食品にして全国に広めようとするが、これらの商品はまったく売れなかった。なぜなら誰も冷蔵・冷凍庫を持っていなかったから!地元でしか売れない商品としてバーズアイの夢は頓挫。彼が冷凍食品のパイオニアとして君臨するのは家庭に冷蔵庫が普及するのを待たねばならなかった。

 更にはミルクボーイの漫才で注目を集めるあの食品も……。

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