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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.654

実話ホラー『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』 1980年代の米国で開かれたオカルト裁判の顛末

文=長野辰次(ながの・たつじ)

「死霊館」シリーズ最新作。『エクソシスト』(73)を思わせる衝撃場面も。

 超常現象の研究家として知られた米国人夫婦ロレイン&エド・ウォーレンを主人公にした「死霊館」シリーズは、実録ホラー映画として人気が高い。ジェームズ・ワン監督が手掛けた『死霊館』(13)、『死霊館 エンフィールド事件』(16)は世界各国で大ヒットを記録した。ジェームズ・ワンがプロデュースに回ったシリーズ第3弾『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(原題『THE CONJURING:THE DEVIL MADE ME DO IT』)は、1981年に起きた「アーニー・ジョンソン事件」が題材となっている。殺人を犯した青年が「悪魔が私にやらせた」と証言したことから、悪魔の存在が判決の行方を左右することになったオカルト裁判の顛末を描いている。

 映画の序盤、カトリック教会から派遣された神父らと共に、ウォーレン夫妻が悪魔祓いに挑むシーンが描かれる。米国コネチカット州の小さな町で暮らす少年・デヴィッドは悪魔に取り憑かれ、獣のような唸り声を発するようになっていた。悪魔は手ごわく、数々の怪奇現象を解決してきたエド(パトリック・ウィルソン)とロレイン(ベラ・ファーミガ)も苦戦を強いられる。デヴィッドの姉・デビーの婚約者である、心優しい青年・アーニー(ルアイリ・オコナー)はその様子を見かねて、思わず「悪魔よ、俺に取り憑け!」と叫んでしまう。

 悪魔祓いの一件以降、幼いデヴィッドの生活は平常に戻ったが、今度はアーニーの様子がおかしくなる。仕事中にたびたびトランス状態に陥ってしまうアーニー。デビーと暮らす自宅へと戻るが、大家のボーノをアーニーはナイフで刺し殺してしまった。しかも、22回もナイフを突き刺して。初めて起きた殺人事件に、小さな町は騒然となる。

 警察に逮捕されたアーニーは、事件のことをまるで覚えていない。アーニーの口から出た言葉は「悪魔が私にそれをさせた(The devil made me do it)」だった。このままでは、アーニーは殺人犯となってしまう。アーニーが悪魔憑き状態だったことを、ウォーレン夫妻は証言することを約束。アーニー側の弁護方針は決まった。米国の裁判では、被告人や証人は神に対して虚偽の発言をしないことを誓わせられる。法廷が神の存在を認めているのなら、神と敵対する悪魔もいるはず。悪魔の存在を証明するため、ウォーレン夫妻の調査が始まった。

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