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カミナリは、頭をはたくツッコミに誇り―「痛みを伴う笑い」への抗議との2時間闘争

カミナリは、頭をはたくツッコミに誇り―「痛みを伴う笑い」への抗議との2時間闘争の画像1
カミナリ グレープカンパニー 公式サイトより

 芸人やバラエティー番組スタッフにとっては、受難の時代となりそうだ。

 日本テレビが9月20日に大みそか恒例の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないシリーズ』を休止することを発表。『NHK紅白歌合戦』の裏番組として、10年から11年連続民放1位の視聴率を記録するなど人気を集め、今年は15年の節目を迎えるはずだっただけに、テレビ界に激震が走った。

 その背景にあるのは、8月24日BPO(放送倫理・番組向上機構)が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」を審議対象にしたことと、無関係ではないだろう。

 確かに、『笑ってはいけない』シリーズはケツバット、タイキック、蝶野正洋のビンタと痛みを伴いまくり。さらにこの流れを受け、今後はバラエティーでのNG事項が増えて行きそうな気配なのだ。

「『水曜日のダウンタウン』(TBS系)のマネージャーがタレントに暴言を吐く企画、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)、『オオカミ少年』(TBS系)を始め、アイドル番組の罰ゲームなどでも見られる足つぼ企画、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)などの激辛企画、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)のヒット祈願企画で行われたバンジージャンプの強制も“アウト”になりかねない。とりわけダメージが大きいのは特技を封じられてしまう芸人で、ダチョウ倶楽部・上島竜兵の代名詞である『熱湯風呂』も消えるかもしれません。実際のお風呂の温度は42~43度に設定されており、それを熱く見せるリアクション芸なのですが」(放送作家)

 浜田雅功をはじめ、人を叩く芸風自体が問題視される可能性も。「ダメ~」と頭を鷲掴みするツッコミでブレイク中のトム・ブラウンも、バシッと音が聞こえるほどの強烈などつきツッコミが持ち味なだけに、テレビで使いづらくなるとしたら気の毒だ。

 そんななか、叩き芸に誇りを持っているのがカミナリだった。

「カミナリは以前に出演したあるバラエティーで、BPOを思わせる架空の団体から、ネタの暴力性を審議されるという、ドッキリをしかけられたことがあった。その際、子どもへの悪影響を指摘されたツッコミの石田たくみは、『テレビを見てマネして、それが暴力沙汰になったりしたら、その子が単に判断力のない子なんだなって思います』『もし、世の中にそういう子がいるとしたら、それは親の責任だったり、学校の責任だと思いますけど』と、毅然とした態度で反論していました。実際の現場では、このBPOもどきとの面会は実に2時間に及んだそうで、それでもまったくブレない姿勢には、『芸』として頭をはたいているという矜持を感じました」(テレビ誌ライター)

 表現方法が狭まる一方のバラエティー界。刺激がなくなったマイルドな番組に未来はどうなるのか?

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2021/09/30 13:00
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