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恒例・元芸人が渾身の全ネタ分析!

キングオブコント2021、1stステージが大盛り上がりだった分決勝が尻すぼみ? 全13ネタ一気レビュー!

『ニッ社』に『そいつどいつ』、このコンテストでいま一歩だった?

 5番手は前回5位で終わった『ニッポンの社長』だ。

 ネタも見た目もインパクトがあり、良くも悪くも覚えている。前回は尖った若手らしく、少し生意気な印象がある。ただそんなものはネタには関係ない。面白ければ良いのがキングオブコント。

 きちんと平等に見ていこう。

 設定はバッティングセンター。高校生がボールを打っていると、おじさんが近づいてきてもっともらしいアドバイスを始める。外からアドバイスをしていたが途中から中に入ってきてしまう。するとおじさんがホームベース上にいるため、高校生はバッティングができず、ボールは全ておじさんに当たるというもの。

 立ってアドバイスしてもボールが来るタイミングでしゃがんだり、頭に当たって痛そうな音がしたり、違うブースに入り、ボールにぶつかるなど、この動作一発勝負ネタだった。

 ボールが当たる音やタイミング、おじさんの全く痛がらない表情、一度外に出ても中に戻ってきて全部のボールに当たっていく。見ている側としては、最初はその動作を面白く感じても少しずつ慣れてしまうものだ。その慣れを“覆す何か”もなく終了。僕が思うに賞レースでやるネタにはふさわしくない。なぜならニッポンの社長でなくても出来る展開だからだ。単独ライブでやるようなネタだと感じた。

 審査員の得点にバラつきがあった。上は山内や秋山の95点、下は松本の89点。

 好みや評価のポイントで得点に差が出るのも、キングオブコントの面白さのひとつだろう。審査員の傾向を分析するのも面白い。

 6番手はこちらも初登場の『そいつどいつ』。

 紹介VTRを見た第一印象は発声が舞台役者さんみたいでお笑いっぽくないなと思った。

 ネタは飲んで帰ってきた旦那とそれを待っていた妻。妻は寝る前に保湿としてパックをしている。パックのせいなのか妻の動きの緩急や手のしぐさ、登場の仕方すべてが怖いというネタ。

 緊張からなのか演技の仕方なのか、会話のテンポ自体は比較的遅い。

 そのせいもあって、妻を演じる市川刺身のセリフが棒読みに聞こえることがあり、イマイチネタの世界観に入り込みづらいし、お笑いのネタな気がしない。間の取り方、セリフの言い回し、客を意識しすぎる立ち振る舞い、やはりどこか舞台役者のように感じる。なぜだろう。

 ネタ自体はあまり展開がなく、旦那さんが妻の変な動きに怖がるというひとつのパターンで進行していく。

 オチは本当のホラーかと思いきやイタズラというオチなのだが、本当のホラーのように思わせるところが長く、少し怖くも見えるのでどうしても、笑いが減ってしまう。

『うるとらブギーズ』でも書いたが笑いが減るオチは、コンテストではあまり点数が取れない。キャラクターは十分にあるので、舞台上でのお笑いとしての立ち振る舞いを研究すればさらに上を目指せると思う。結成7年目ならまだまだ改良できるはず!

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