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“密フェス”への心情も吐露!川崎生まれのラッパーKOWICHIがキャリア10年を迎えた心の内

文=渡辺志保

冬の時代を乗り越える長けたセルフブランディング

――実際に「お、カネになるな」と思い始めたのは?

KOWICHI 「Boyfriend #2」(14年)が評価されて、俺の中でもデカい作品になったから今後を決めていくひとつのきっかけになりました。その次のアルバム『SheCRET』(15年)も含め、当時はP-VINEから作品をリリースしてたんですけど、今考えてみると、自分でやったら超カネになったんだろうなと思いますね。

――16年に発表したアルバム『The PLAIN』からは、DJ TY-KOHらとともに〈FLY BOY RECORDS〉を立ち上げて、完全に自主制作として作品を発表し始めました。このタイミングでも、稼げる額の違いを感じた?

KOWICHI もう、めっちゃ感じましたよ。ちょうどその頃に日本でもApple Musicが勢いを増してきて(註:Apple Musicが日本でサービスを開始したのは15年6月30日)、入ってくるカネの桁が本当にひとつ違ってきた。自分で権利を持つってこういうことか、と。

――その頃、共同でレーベルを立ち上げるにあたって原盤権や著作権の管理など、アーティストが持つ権利について勉強する機会はありました?

KOWICHI いや、それが勉強はまったくしてなくて、全部自分で経験しながら覚えた感じですね。知識がある状態で飛び込んでないんですよ。だから、今までやってきたこと全部が失敗だったなとも思うときもあるんですよ。あとで振り返ってみたら、もしかしたら今やってる行動も失敗なのかもしれないし。

――KOWICHIさんが言うと説得力があります。ここ数年、日本でもメジャーやインディ問わず、いろんな形態で活躍しているラッパーが増えたなと思っていて。

KOWICHI 確かに選択肢が増えたという感じはある。それはすごく恵まれているなと思いますね。(ラッパーとして)どの方法を使ってメシを食うかという時代に差しかかっているのに、「音楽がカネにならない」とか言ってるラッパーは、マジでやめたほうがいいと思う。例えば、めちゃくちゃかっこいい曲をリリースしても、それが受け入れられないのは、拡げ方の問題なんですよ。その方法だって、昔に比べて今はすごくイージーになっている。ゆえに、日本のヒップホップにはマーケティング力が足りないと感じてるんですよ。あと、自分でどうすべきかを知らない若い子たちもいるじゃないですか。レーベルとしては、そういう若くていいアーティストを育てていきたいという思いもあります。

――自分でセルフブランディングというか、「こういうふうに見せていこう」と気を遣い始めたのはいつ頃ですか?

KOWICHI ちゃんとブランディングできているかどうかは別として、自分の中では最初にラップを始めた頃から、そこには気を配っていました。日本人でもアメリカ人でも、自分が憧れていたラッパーたちは、みんなブランディングがちゃんとできていた。だから、自然とそういうラッパーに憧れてましたし。

――例えば、どういうことに気をつけていますか?

KOWICHI なるべく私生活は小出しにしていくこと。ラッパーとしてのキャリアが何年あっても、それは変わらないと思う。ミステリアスなラッパーが好きなんですよ。

KOWICHI(写真=cherry chill will.)
KOWICHI(写真=cherry chill will.)

――2020年の年末には、ご自身とプロデューサーのZOT on the WAVEさんらと共にレーベル〈SELF MADE〉を立ち上げました。レーベルオーナーになって、これまでと視点が変わったと思う?

KOWICHI そうですね。頭の中が忙しい(笑)。

――自分のクリエイティビティには関係しない?

KOWICHI いや、関係してきますよ。脳みそも体もひとつしかないから。自分の制作に集中しちゃって、みんなのことがおろそかになるフシはあるかもしれない。でも、それは自分がラッパーでいる以上は無理。オーナーとして、100%みんなに目を配るのは多分無理じゃないですかね。

――Merry DeloさんやCandeeさん、SATORUさんといった10代後半から20代前半の若いラッパーも多く所属しています。SELF MADEのルールというか、若手にアドバイスすることはありますか?

KOWICHI 「警察に捕まるな」「なるべくケンカはするな」。

――こうしてスタジオや事務所も構えて、ずっと地元の川崎で活動しているわけですが、川崎ならではのしがらみや悩みはありますか?

KOWICHI めっちゃありますよ。俺自身もピンチになることが結構あって、言えないことやみんなが知らないようなヘビーな内容もあるんですけど、なんだかんだ切り抜けられてるだけなんですよ。今でも、「この年になってこんな面倒なことがあるの?」と思ったりするし、これはラッパーじゃなくなったら解放されるのかもしれないですけど。

――表に出ているからこその厄介ごとというか。

KOWICHI それはあると思います。ラッパーって大変なんですよ。そういう気疲れとかはいまだにあります。

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