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『チコちゃんに叱られる!』携帯番号「090」が多いのは「ズルい!」と言われるのを避けるため? 

携帯番号「090」は「ゼロキューゼロ」ではなく「レイキュウレイ」読みが正しい

 この日最後のテーマは「携帯電話が090から始まる事が多いのはなぜ?」というもの。チコちゃんが発表した正解は「争いが起こらない平和な番号だったから」であった。今、090は巷で“中年の証”と言われている。同じ番号を20年以上使い続けている人の証だからだ。そんなご時世なのに、この問題はなかなかキツい。でも、新規契約すると解約された090が今も割り振られることも稀にあるらしい。

 兎にも角にも、「争いが起こらない平和な番号」とはどういうことなのだろう? 詳しく教えてくれるのは、日本のすべての電話番号を管理する総務省の番号企画室室長の鈴木厚志さんである。曰く、携帯電話のサービスは自動車電話が始まりだったらしい。そのときに使われたのは030から始まる番号で、全部で10万通りの番号があったという。なぜ030だったかというと、当時すでに010と020は別のサービスで使われており、それに続く番号が030だったから。

 そして1985年、肩からぶら下げて自由に持ち運べるショルダーフォンが登場した。これを機に利用者の数は増え、040から始まる番号が追加されることに。そして、電話番号は自動車電話の頃の倍の20万通りに増えた。その後、電話はどんどん小型化し、1987年には片手で持てる携帯電話が登場! さらに、携帯はポケットサイズにまで進化して爆発的に普及し始めた。つまり、たくさんの人が携帯を利用するため、番号が足らなくなってしまったのだ。その状況に対応するべく、1996年9月からは始まりを010、030、080の3種類とする新たな番号ルールが導入されることに。これで、番号は一気に3000万通りへと増やされた。そういえば、筆者が初めて使った携帯も010から始まる番号だったな……。

 しかし、これでも数年後には番号が枯渇し、いずれ限界が来てしまう。そこで、携帯電話の番号を10桁から11桁に増やし、最大9000万通りに増やすことが決まったのだ。この時代のことを筆者はよく覚えている。「僕の話を聞いとくれ 携帯PHSは11桁 1桁増えて11桁♪」とホフディランが歌うCMが頻繁に流れていたものだ。

 11桁に変更される番号は、すでに携帯電話を利用する人も混乱なく移行できるようしっかり考慮されていた。例えば、030からの番号を持っていた場合は3を4桁目に移動させ、新たに決まる0a0を頭に付けるという方式が考えられていたのだ。

【10桁】030-○○-○○○○○ → 【11桁】0a0-3○○○-○○○○

 このとき、aに入る番号は9に決定し、携帯電話の始まりは090に統一された。でも、なんで9だったのか?

「10桁の段階で携帯電話では010と030と080が、PHSでは050と060が使用されていました。さらに、11桁に移行するまでの間に020と040も使う予定で、11桁になる前は070と090しか空いていなかったのです。さらに、070は050と060に続く番号でわかりやすいため新しいPHSの番号とし、残る090が携帯電話の11桁の新しい番号に決まったのです」(鈴木さん)

 でも、今まで使っていた010や080ではダメだったのだろうか?

「最大の理由は、不公平と感じる人が出る可能性があったからなんです」(鈴木さん)

例えば010に決めた場合、他の番号を持っていた人が「010だけそのままなんてズルイ!」という気持ちになりかねない。それを不安視したようだ。例えば11桁の最初の番号を010に統一した場合……

【10桁】010-○○-○○○○○ → 【11桁】010-1○○○-○○○○ 

 010だった人は4桁目に1を追加するだけで済むが、もともと010以外の番号だった人は頭の010と4桁目の両方が変更になってしまう。これは、030を採用しても080を採用しても同様に起こってしまうこと。そこで、10桁時代に使われていなかった新しい番号090を採用する選択が最も公平になると考えられたのだ。ちなみに、10桁の時代も090は使われていたが、最も少なかった。

「ちょっと大げさかもしれないですけど、そういった不公平感からくる争いが起こらない最も平和な番号が9だったんです」(鈴木さん)

 う~ん、くだらない。しょうもないと思う。でも、それだけでは済ませられないのが日本人の気質。「ズルい!」と騒ぎ立てる人が多いのは、我が国の国民性と言える。炎上案件になりかねないと今なら多くの人が予測できるだろう。当時にしてはきめの細かい判断である。

 こうして平成11年1月1日の午前2時、日本の携帯電話は090から始まる11桁になった。その後、一人一台の状況が当たり前になると番号は再び足りなくなり、2002年には080を追加。2013年には PHSに割り当てていた070が使えるようになり、現在、携帯電話の番号はおよそ1億9440万に。人口に対する普及率は155%だ。でも、もっと使用人口が増えたらどうするのか? 電話番号はすでに枯渇し始めているとも聞く。いつか、また桁数を広げるのだろうか。

 最後に補足情報を。今回、番組では一般的な言い方に合わせて「090」を「ゼロキューゼロ」と読んだが、本当は「レイキュウレイ」と読むのが正しいらしい。確かに、ゼロは日本語読みじゃなく英語だ。「零戦」を「ゼロ戦」と呼ぶのと同じか……。

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