日刊サイゾー トップ > エンタメ > 連載  > 『イカゲーム』密輸で銃殺の衝撃!
世界は映画を見ていれば大体わかる#25

『イカゲーム』密輸で銃殺の衝撃! 北朝鮮顔負けのディストピアVOD配信作ベスト3

文=しばりやトーマス(しばりや・とーます)

『イカゲーム』密輸で銃殺の衝撃! 北朝鮮顔負けのディストピアVOD配信作ベスト3の画像1
U-NEXT『リベリオン』(2002)公式サイトより

 NetFlixで配信され大ヒット中の韓国ドラマ『イカゲーム』を北朝鮮に密輸した男が銃殺されたというニュースが目に止まった。

『イカゲーム』は社会の負け犬連中が勝てば大金、負ければ即死というデスゲームに参加させられる韓国版『カイジ』といった作品で、格差が極限まで達したディストピア的世界感が上手く表現されています。

 今回はそんな管理社会、ディストピア映画がテーマの3本。

『リベリオン』(2002)は第3次世界大戦後の世界を舞台にした作品で、第4次大戦を恐れた国家は人間の感情が戦争を引き起こすと判断。感情を抑制する薬品プロジアムを服用することを市民に強制。市民らはあらゆる感情を失い日々をただ無気力に過ごしていた。だが感情を奪われることに反発する一部市民「感情違反者」らはプロジアムの服用を拒んで国家が禁止する絵画、文学、音楽、ペットなどを密かに所有していた。

 そんな感情違反者を摘発するのが近未来の憲兵、特殊捜査官グラマトン・クラリックたちである。主人公プレストン(クリスチャン・ベール)はクラリックの実力者だったが、相棒が感情違反者であり自ら処刑せねばならなくなったことから、国家の支配者「ファーザー」の教えに疑問を抱き始める。さらに摘発し取り調べをおこなった違反者メアリーから「生きるためだけの人生に意味はあるのか」と問われ、かつて妻が感情違反者として逮捕され、その処刑(火あぶり)を見届けさせられたことを思い出し、プロジアムの服用を止めファーザーの支配に逆らうように。

 クラリックがあやつる格闘術ガン=カタは剣術と銃撃を組み合わせた独特なアクションで「ディストピア世界の物語」というある意味、堅苦そうな物語を柔和させスタイリッシュなアクション映画に転化させている。公開当時は『マトリックス』の影響で斬新なアクション映画に注目が集まっており、『リベリオン』も『マトリックス』同様「管理社会からの解放」を描き、銃と格闘技で管理社会に反発する。

『マトリックス』の管理社会は暗黒のイメージだったが、こちらは白一色に統一され一見ユートピアに見えるがその実……というところが見所で、アクション以上に物語が際立たせることに成功しています。

 感情を持て! 管理社会から解放されるんだ!

『イカゲーム』密輸で銃殺の衝撃! 北朝鮮顔負けのディストピアVOD配信作ベスト3の画像2
U-NEXT『ゼイリブ』(1988)公式サイトより

 特権階級がメディアを利用して市民を洗脳し無意識のうちに支配下においている社会を批判したのが『ゼイリブ』(1988)。定収入労働者のネイダ(ロディ・パイパー)は仕事を求めて、建設現場で出会った労働者フランク(キース・ディヴィット)を頼り、貧民街に案内される。住民たちは古びた街頭テレビだけが娯楽で、そのテレビが電波ジャックされひげ面の男が画面で視聴者をアジっていた。

「彼らは電波によって我々を仮眠状態にしている。平等や人権は奪われ抑圧的な社会が築かれている。他人への興味を失わせ自身の利益のみを求めるようにされている。我々は眠らされて静かにさせられているのです……」

“彼ら”って誰だ? 貧民街のそばにある教会で賛美歌が歌われるとテレビ放送がジャックされることに気づいたネイダは、教会に忍び込む。賛美歌は実際に歌われているわけではなく録音テープを再生しているだけで、中では怪しげな人たちが賛美歌に紛れて何かを話し合っていた。翌日、警官隊によって教会は襲撃され、建物は破壊される。残された大量の段ボールからサングラスを拾ったネイダは、街中でそれをかけてみると看板や雑誌、新聞の広告、文字はすべて「従え」「考えるな」「消費しろ」「眠っていろ」「テレビを見ろ」というメッセージに見えるではないか。それだけではなく、裕福そうな恰好をした人々はみな髑髏のような顔をしていた!

 この世界はエイリアンによって支配されており、彼らは擬態信号を飛ばして人間社会に溶け込み、サブリミナルメッセージによって市民を洗脳状態に置いていた。サングラスは擬態を見破るためのアイテムだったのだ。

12

『イカゲーム』密輸で銃殺の衝撃! 北朝鮮顔負けのディストピアVOD配信作ベスト3のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

人気連載すべて見る

元木昌彦の『週刊誌スクープ大賞』

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"元木昌彦による週刊誌レビュー

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士の最新情報をお届け! 嫁・麗子も時々登場。

テレビウォッチャー・飲用てれびの『テレビ日記』

テレビの気になる発言から、世相を斬る!

じゃまおくんのWEB漫クエスト

マンガレビューブログ管理人じゃまおくんが、インターネットに埋もれる一押しマンガを発掘!

腹筋王子カツオ『サイゾー筋トレ部』

“腹筋インストラクター”腹筋王子カツオさんが、自宅でも簡単にできるエクササイズを紹介!

イチオシ企画

[呂布カルマ]ゲオの骨伝導ワイヤレスイヤホン体験インタビュー

グラビアディガーが○○鑑賞中の“まさか!?”を回避できる骨伝導ワイヤレスイヤホン
写真
特集

冬ドラマに注目!

フジ月9、2作連続で好調の日テレ水10、方向転換?のTBS火10……冬ドラマ特集
写真
人気連載

源頼朝の命を助けたかったのは後白河法皇?

──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NH...…
写真
インタビュー

くらたまが初のミステリー長編に挑む!

 ダメ男と、ダメ男にばかりハマってしまう女性の姿がリアルに描かれた恋愛エッセイ漫画『...
写真