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『ドラフトコント2021』はドラフト部分のワクワク感が秀逸!元芸人が全ネタ分析

各キャプテンがなぜその芸人を選んだか、がわかる

 この番組は前半でドラフト、後半でネタ披露という分け方になる。

 元芸人として分析した時に、この前半部分のドラフト制は相当素晴らしい。何が素晴らしいのかというと、今の時代はいうなれば「考察の時代」。他人がどのように考え、どのように答えに辿り着いたかに注目が集まる時代だ。

 ただ芸人をシャッフルし組ませるという形式ではなく、ドラフト制にすることにより、なぜその芸人が必要なのか、どういう考えでチームを構成していくのかというキャプテン5名の脳みそが丸見えになるところが今の時代にマッチしており、さらに選ばれる側の芸人も、視聴者が受けているイメージと芸人が受けているイメージのギャップも知ることが出来る。

 それではチームひとつずつ分析していこう

 まずはチーム山内。メンバーはあんり、加賀、和田、森田。山内はくじ運の悪さもあり、希望したメンバーを第一指名で獲得することはほぼ叶わなかった。それが如実に表れたメンバー構成に見える。

 まず、あんりと森田がつっこみということで被る。ひとつのチームにツッコミが2人いるというのは致命的でどちらかが”死に役”、つまりいてもいなくても同じような立ち位置になるパターンが多い。今回はあんりがその役回りになってしまった。ネタがどういう流れかを示すためにフリとして出てきた大事な役回りだが、彼女の本来の魅力はあのツッコミにある。台本上一度は見せ場があったが、それ以外の見せ場は無いといってもいいだろう。

 さらに言えばネタの内容がミュージシャン2人、スカウト1人で成立してしまうネタなので、正直、和田まんじゅうの面白さもそこまで出ていなかったし、キャプテンの山内すらいなくても良かったように思える。もし希望通りのメンバー構成になっていたら、どのようなネタになっていたのか……。

 続いてはチーム春日。5人のキャプテンの内、唯一ネタを書かない春日。まずネタを書ける人材を求めシソンヌのじろうを選択。残念ながらくじ引きで負け、代わりに空気階段の水川かたまりを獲得。これが功を奏したように思う。

 メンバーは水川、斉藤、吉村、おいでやす。水川以外パワータイプばかり揃っており、なんともバランスが悪いように見えてしまうが、意外や意外。そのパワータイプが違和感なく混ざり合っており、結果的にこのチームが優勝する。それもこれも、水川かたまりの台本力があったからこそだ。普通ならパワータイプの春日、斉藤、吉村をまとめてしまうようなものだが、春日、斉藤、水川をひとまとまりにし、そのアンバランスさで笑いを取り、それに対しておいでやす小田がいつものツッコミを入れる。

 終始笑いが多く、唯一吉村の使い方が難しそうにみえたが、ほかのチームに比べると粗が少なかったように思えた。キングオブコント優勝後の多忙なスケジュールの中、これだけクオリティの高いネタを作り上げてくるあたり、さすが王者である。

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