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『ドラフトコント2021』はドラフト部分のワクワク感が秀逸!元芸人が全ネタ分析

文=檜山 豊(ひやま・ゆたか)

意外に難しいチーム分け…当たりチームはどこだ?

 3組目はチーム小峠。メンバーは池田、嶋佐、西村、大久保。小峠的には池田のコント力、嶋佐の猟奇的な部分、そして長年一緒にやってきた相方・西村など欲しいメンバーが揃ったと言っていたが、僕が見る限り少しアンバランスな感じに見えた。

 ネタは不動産屋というベタな設定。そこに現れる違和感がある三人組(大久保、池田、嶋佐)。この三人組がボケのベースとなり、飛び道具として西村が登場するというのが一番わかりやすい形なのだが、いざふたを開けてみると、なぜか猟奇的な嶋佐のボケが際立っており、それに巻き込まれるように猟奇的になっていく池田。そして全く喋らない大久保さん。何ともアンバランス。

 MCの今田さんも言っていたが、途中から早く西村に登場してほしいと思うほど、ブラックユーモアで舞台上は溢れていた。視聴者がこのチームに求めるのは間違いなく小峠のツッコミで、それに対して嶋佐以外がそれぞれがボケを連発していき、嶋佐がたまに怖いことを言うで成立したはずだ。主軸を間違うとこうなってしまうという、わかりやすい例に見えてしまった。メンバーが良かっただけに何とも残念だ。

 4組目はチーム大吾。メンバーは長谷川、盛山、せいや、サーヤ。大吾本人は志村流を受け継いだコントにすると熱く語っていた。内容的にはオーソドックスな形で、ツッコミの長谷川が台本のおかしなところを全てつっこみ、それをのらりくらりとかわし、大丈夫だからやってみようという大吾。さらにアドリブのようなボケを足していき、最後はそれを本番で披露するといったネタ。志村イズムを受け継いでいるボケもいくつかあったので、ベタな笑いは起きていたが、これも最初のチーム山内と同じでツッコミが2人いることにより盛山が”死に役”になってしまった。

 そしてネタを作った大吾自身が漫才師ということで、本来は2人用のネタのスペシャリスト。つまり複数人が出るネタを作ることに慣れていないのもあり、サーヤは無くても成立するし、せいやは舞台上すらおらず、正直、長谷川と大吾だけで成立するネタになってしまった。2人用だったら最も笑いを取っているネタだっただけに、もうひとり複数人用のネタを作れる人間とネタを作れたら広がり方が違ったかもしれない。志村イズムを継承するにはまだ経験が足りないと感じた。

 最後はチーム又吉。メンバーはじろう、もぐら、向井、丸山。僕としてはこのチームが一番バランス良く感じた。それはじろうともぐらの芝居の質が似ており、向井のプレーンで客観的なツッコミがボケの邪魔をせず、ボケ一つひとつが活かされて話が展開していく。何より又吉が書いたネタの内容がいかにもTheコントといった感じで、笑いの取り方もうまかった。

 ただ7分という制限時間では足りなかったのではないだろうか。普段書いているものは、文字数制限はあったとしても時間制限はないもの。それなので思ったより時間が長くなり、渋々削ったボケやストーリーもあったように思える。

 今回のように徐々にストーリーを盛り上げていくようなコントは時間がネックになった場合、どこかを削るしかない。しかし削ってしまうと流れがスムーズにいかなくなり、全体的なバランスが崩れ違和感を生んでしまう。僕としてはネタの後半にそんな違和感を感じた。

 あともうひとつ惜しかったのは丸山の芸歴の浅さ。芝居のテイストを周りに合わせる事が出来ず若干浮いていたように思った。彼女のコント芝居の質が変わっていればチーム春日のパワープレイに勝ったかもしれない。僕としては一番面白かった。

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