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『M-1』決勝進出9組を徹底分析! 非・吉本勢の躍進と関西有利の崩壊、テレビ局側の思惑

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『M-1グランプリ2021』テレビ朝日系(公式サイトより)

 漫才日本一を決める『M-1グランプリ2021』決勝戦(2021年12月19日放送、テレビ朝日系)のファイナリストが12月2日に発表された。決勝戦を戦うのは、もも、真空ジェシカ、モグライダー、オズワルド、ランジャタイ、インディアンス、ゆにばーす、錦鯉、ロングコートダディの9組と、そこに19日に開催される敗者復活戦を勝ち抜いた1組を加えた計10組だ。

 今回発表された9組のファイナリストのうち、もも、真空ジェシカ、モグライダー、ランジャタイ、ロングコートダディの5組が初の決勝進出となった。

「準決勝進出メンバーは、これまでM-1である程度結果を残していた芸人が多く、事前には見慣れたメンツによる大会になりそうだと言われていましたが、いざ決勝進出メンバーを見ると、かなりフレッシュな印象ですね。また、吉本興業以外の芸人が5組というのは、第2回大会以来で過去最多タイ。コロナ禍で劇場出番が減っているなか、自社劇場を多数持つ吉本が圧倒的有利と言われていたので、意外な結果と言えそうです」(劇場関係者)

 非・吉本勢の躍進には、どんな背景があるのだろうか。

「今回、決勝に進出した非吉本芸人はいずれも、東京のライブシーンでずっと活躍してきたメンバーです。真空ジェシカは学生芸人時代から賞を獲っている実力者だし、モグライダーも長く期待されてきたコンビで、特にツッコミの芝大輔は東京の若手芸人の間では“天才”と言われています。そして、錦鯉は昨年のM-1でブレイクを果たしていますし、ランジャタイもネタ番組にひっぱりだこ。非・吉本勢といっても、お笑いを知っている人であれば納得のメンツなんですよね。どうしても吉本芸人中心のバラエティ番組が多いので、そちらばかりが目立ちますが、実は非・吉本勢にも実力者は山ほどいます。今回、満を持してその実力者たちに陽の目が当たったということでしょう」(お笑い事務所関係者)

 かつて漫才は“西高東低”と言われ、関西勢のほうが強かった印象だが、今回の決勝進出者9組のうち、大阪吉本所属はもも、ロングコートダディの2組。インディアンスは大阪吉本出身だが、現在は東京吉本に所属している。

「ここ数年は、必ずしも西高東低というわけではないんですよね。まあ、M-1グランプリ自体が大阪のABCテレビ制作ということもあり、どうしても関西勢贔屓な印象はあるんですが、実際に決勝に残っているメンバーを見ると、昨年も東京勢のほうが多かった。また、ロングコートダディにしても、いわゆる関西のベタなしゃべくり漫才ではなく、かなり個性派なネタをやる芸人なので、“関西っぽさ”はあまり感じられない。そういう意味では、お笑い界における東西の格差がなくなっているということでしょう」(テレビ局関係者)

 そんななかで、今回の決勝進出者のなかでもっとも芸歴が浅いのが、大阪吉本所属のももだ。

「ももは、かなり期待されていますよ。独自のシステムで展開されるネタで、初見の人に対するインパクトもあるし、ハマったらかなり強い。しかし、容姿をイジる部分があるので、そこに対して微妙な反応が起きてしまうのではないかという心配もありますが、それを超えるだけの爆発力に期待できますね」(同)

 そして、優勝候補筆頭と言われるのが、3年連続決勝進出のオズワルドだ。

「オズワルドは、とにかくM-1優勝を目指してネタを仕上げまくっている。実力もクオリティーも間違いなくトップクラスですよ。ただ、これまでのM-1の歴史を見ると、何度も決勝に上がっているコンビはだんだんウケが薄くなっていくんですよ。それこそ、笑い飯も優勝するまでかなり時間がかかったし、和牛に至っては結局優勝できなかった。オズワルドがそういった道に進んでしまうのではないかという恐れはありますね。

 また、ゆにばーすもかなり期待値が高い。準決勝も大ウケでしたし、それだけではない隠し玉もありそう。ウケという点では、ランジャタイは万全ですよ。ネタが特殊すぎるので審査員がどう判断するかは計算できませんが、確実に爪痕を残すでしょうね」(前出・劇場関係者)

 一方、昨年まで連続で決勝に進出していた見取り図、ニューヨーク、そしてバラエティー番組で活躍する、ハライチ、アルコ&ピースは敗者復活戦に回ることに。

「敗者復活戦も生中継されるので、そちらのほうの注目度を高めなければならない。そういう意味では、テレビで活躍する人気芸人を敗者復活戦に回したいというテレビ局側の思惑も見え隠れします。決勝戦は誰が出ようと、それなりに視聴率が取れますからね」(前出・テレビ局関係者)

 フタを開けてみたら、かなりフレッシュなメンバーで戦うこととなった今回のM-1グランプリ。間違いなく、新スターが登場しそうだ。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2021/12/04 21:00
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