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元芸人によるダウンタウン考察

“ダウンタウン病”の元芸人が語る久しぶりの漫才を見てダウンタウンのお笑いがすごいワケ

文=檜山 豊(ひやま・ゆたか)

多くの若者を「ダウンタウン病」にさせたおばけ番組

 そしてあのモンスター番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)の登場である。のちにダウンタウン病にかかった若者たちの多くは、この番組を見て感染したのではないだろうか。

 ちなみにダウンタウン病とは「ダウンタウンみたいにならないといけない」と信じ込み、ダウンタウンのようにすることが「絶対的な正解」だと思い込む現象のことである。我々直撃世代の芸人のほとんどはこのダウンタウン病にかかり、しばらくダウンタウンさんのような振る舞いをし、ある程度経つと同じように出来ないと理解し挫折、そして自分のスタイルを見つけようと模索するという過程を歩んでいる。

 僕ももちろんその病にかかり、茨城出身のくせに浜田さんのように勢いよく大阪弁でつっこむという症状が出てしまっていたのだが、のちにナインティナインの矢部さんという特効薬と出会い、その症状は治まった。矢部さんの話はまたおいおいということで、ここではダウンタウンさんの話に戻ろう。

 この『ごっつ』は『ガキ使』と並ぶダウンタウンさんの代表的な番組で、独特な切り口のコントとロケ企画を中心に構成されており、僕たち子どもはとても喜んでいたのだが「親が見せたくない番組」の上位になっていた。この番組のコントをオマージュしてコントを作っている芸人は、いまだに多い。まあオマージュというか影響を受けすぎて、モノマネになってしまっているダメな芸人も多々いる。

 ちょうどこのくらいの時期に松本さんが入場料1万円のライブや武道館で芸人として初のひとり単独ライブを行ったり、エッセイ集の「遺書」「松本」を発売するなど、ダウンタウン病の感染率を上げていった……。

 さてここからはダウンタウンさんのネタなどについて少し話していこう。

 今の若い人たちはほとんど、リアルでネタを見たことは無いと思う。わかりやすくネタを説明すると、オーソドックスな形でテンポの速い漫才、松本さんがひたすら一定のテンションでボケて、それを浜田さんが段々とテンションが上げながらつっこんでいくというスタイル。ボケの仕方は独特なものが多いが、ボケの中身はベタなものが多く、奇をてらったものは少ない。それゆえに独特なボケの仕方で若者の心をつかみ、中身のベタさで老若男女を笑わせるといったところだろう。

 この形は今のダウンタウンさんが行うフリートークに近いので、想像しやすいだろう。

 これがコントになるとだいぶ雰囲気が変わる。どちらかというとシュールなキャラクターだったり、雰囲気で笑わせるようなボケが主体となり、ターゲットが老若男女ではなく、ある程度その雰囲気を感じ取れる人ということになる。それなのでコント主体の『ごっつ』は1番感受性が高い思春期の子供たちの心に刺さったのではないだろうか?

 さらに、ダウンタウンさんの場合、漫才とコントを分析したそれで語りたいことが終わりではない。さらにもうひとつこの存在を忘れてはいけない。それは「HITOSI MATUMOTO VISUALBUM」(ヒトシ・マツモト・ヴィジュアルバム)だ。

 これは何かというと松本さんがテレビ番組でのコントのような一過性のお笑いではなく、後世に残るお笑いを目指し企画構成した映像作品である。

 98年から99年にかけてVHSで3作品制作されている。VHSというところが時代を感じさせる。ちなみにこの作品は03年にDVD化された。中身は松本さんがこだわりぬいたコントのような映像作品がいくつか入っているのだが、この作品を見た人はいるだろうか?

 どんな内容か説明するのがとても難しいのだが、強いて言うなら松本さんが監督をつとめた映画『大日本人』や『しんぼる』のような世界観が近いのではないだろうか。

 正直当時、ダウンタウン病にかかっていた僕ですらどこが笑い所で、どこがオチなのかわからないコントが多々あった。何にも縛られず自由にやりたいお笑いをやってみた結果、大衆向けではなく、見る人を選ぶ作品となってしまった。天才の脳みそはやはり天才にしかわからないのだろうか。

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