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「天心×武尊」戦を見限ったフジの本音、実行委員の怒りと未練…緊急会見から透けてきたもの【会見全文】

文=片田直久(かただ・なおひさ)

引き金になった「週刊ポスト」の記事

きっかとなったのは「週刊ポスト」での報道か(画像は5月20日号)

 伏線はあった。これも16年前を思い起こさせるに十分なものではある。5月9日、16日発売の「週刊ポスト」が榊原氏の音声データに基づく記事を掲載したのだ。

 記事の発端は1本の音声データ。榊原氏の会話が収められている。格闘技業界で出回っているといわれるものだ。

 このデータをジャーナリストのX氏が入手。記事の材料とするため、会話の内容について聞く目的で榊原氏と面会した。

 榊原氏は記事を止めるなら500万円支払うと発言。X氏は現金で受け取った500万円を情報源に渡している。

 データの内容は、榊原氏が知人と電話で交わした会話。知人はその中でRIZINの関係者Y氏について榊原氏に尋ねている。

〈「Y自身が例えばですよ、稲川会の○○(音声では実名)との付き合いがあるということも、榊原さん、ご存じなんでしょう?」
「そうです、知ってます」〉

 Y氏はRIZINの業務の中で「トラブルシューティング」に立ち回っている「顧問」的な存在だという。

 記事の第2弾で榊原氏はポスト記者のインタビューに回答。音声は自分のものだと認めた。このデータの一部は後にポストのウェブサイトで公開されている。それ以降、榊原氏とDFWWのコンプライアンスへの懸念が広がっていた。

 今回のフジテレビの判断と「週刊ポスト」の記事との因果関係は不明だが、5月30日に行われた「THE MATCH 2022」のカード発表の記者会見で榊原氏をはじめ実行委員は一人も登壇しなかった。司会者と出場選手だけで進行する。何とも奇妙な会見である。

 冒頭では司会者が「本日は実行委員のメンバーは出席いたしません。選手のみの会見となりますこと、ご了承ください」とアナウンス。質疑応答の前には「出席している選手に対する質問のみとさせていただきます。大会に関する不明な点はK-1、RISEにお問い合わせください」とさらに釘を刺した。

  その翌日、「THE MATCH 2022」を運営する実行委員会は、フジテレビ側の発表を受け、5月31日の午後7時から緊急記者会見を設定する。会場となったのはウェスティンホテル東京(恵比寿)の桜の間。榊原氏をはじめ、伊藤隆(「RISE」代表)、中村拓己(「K-1」プロデューサー)の実行委員3人が顔をそろえた。

 冒頭、榊原氏が事情を説明。契約に至らなかった理由については「明確なものはない」とし、「頭の中が真っ白」と述べた。あけすけな榊原氏の言葉にはフジテレビへの揺れ動く複雑な心情が垣間見える。

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