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「天心×武尊」戦を見限ったフジの本音、実行委員の怒りと未練…緊急会見から透けてきたもの【会見全文】

文=片田直久(かただ・なおひさ)

6月1日に行われたRIZINの記者会見では…

6月1日には「RIZIN.36」の会見に登壇した榊原氏

 ④では一連の報道を伊藤、中村両氏がどう見ていたかに注目した。

 伊藤氏は「まだ細かい部分が出てない部分があるじゃないですか」と述べるにとどまった。「細かい部分」が出てきたら、再度見解を問いたい。

 中村氏は「報道された内容に問題はないのか?」との問いに「そうですね。はい」と明言。榊原氏の弁明に同調する姿勢を見せた。

 その後の質疑で榊原氏は今回の決定がRIZINの今後の放送スケジュールにも「影響する」と回答。今年に入って、RIZINはまだ一度もフジテレビの電波に乗っていない。

 6月1日には「RIZIN.36」(7月2日、沖縄で開催)の記者会見が行われたが、地上波放送についての発表はなかった。ここでも「THE MATCH 2022」への質問はNGだった。

 前日の会見では身を引く構えも見せた榊原氏だが、この日は打って変わって意気軒昂。実行委員会方式の「THE MATCH 2022」と、自らの城であるRIZINは別物ということだろうか。夏以降、「スピードアップ」しての大会開催を示唆した。だが、具体的な計画は不透明なままだ。

 31日の会見に話を戻す。榊原氏は「THE MATCH 2022」の放映権料の安さを強調。大会運営への影響力がいかに小さいものであるかを懸命に訴えた。

 RIZINに関しても「地上波の放映権料に頼らずともやっていける」(格闘技メディア関係者)との見方はある。コロナ禍以降、すっかり定着した配信サービスや堅調な券売での収益で十分賄えるというのだ。

 06年の「フジテレビショック」の折にも榊原氏は「前年度の売り上げのうち、フジの放映権料は10~15%、スカイパーフェクTVの収益は10~15%」とうそぶいていた。さらには、
「チケット売り上げが一番大きい。海外の収益もアメリカ進出に伴い増える」とまで強弁してみせたが、末路は前述した通り。今回も同じ轍を踏まない保証はどこにあるのだろうか。

 3人目の記者の質問の途中、RIZINで広報を担当する笹原圭一氏が司会者に何やら耳打ち。質疑応答は打ち切られた。

 笹原氏は総合格闘技イベント「DREAM」を運営していたリアルエンターテインメントの元代表。同社は2012年、8億4000万円ともいわれる負債を抱えて倒産した。現在は一介のビジネスマンとして榊原氏に仕えている。

 会見終了後の榊原氏に駆け寄ったのは佐藤大輔氏。選手の入場前に会場で流す「煽りVTR」の制作を担ってきたPRIDE時代から腹心の一人だ。

 佐藤氏は元フジテレビ社員。かつての古巣に切られた榊原氏の姿をどんな思いで眺めていたのだろう。

 笹原氏に佐藤氏。「殿」の一大事に「チーム榊原」が結集したということか。

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