『くりぃむナンタラ』芸人がお悩み相談、上田晋也の回答がまるで15年前の紳助？

“芸事の裏側”をしゃべる企画を、なぜくりぃむが……？

　2008年、『しゃべくり007』（日本テレビ系）に紳助が出演した際、レギュラー陣は紳助からの“芸能界・生き方指南”をこぞって拝聴したがっていた。あれから15年近くが経った。今はもう、紳助に聞いていたようなことをくりぃむが“聞かれる側”である。感慨深い。

　ただ、この手の大物からの提言は、結局「売れた人はなんとでも言える」という結論に収束しがちだ。あと、「くりぃむにはこの手の企画をやってほしくなかった」という思いもある。

　芸人が裏側を語ったり、悩みを打ち明ける番組が、現代は本当に多い。かつて、銀シャリの橋本直が「芸事の裏側をしゃべる番組は、『やすとものいたって真剣です』（朝日放送）と『あちこちオードリー』（テレビ東京系）だけでいい」と発言したが、その吐露には深く共感した。それどころか、『あちこち～』だけで胸焼けすることも少なくないくらいだ。令和のバラエティは、もうそっちの方向へ進む流れにある。今回は、まるで「あちこちくりぃむ」と呼びたくなる空気感だった。

『ナンタラ』で悩み相談企画が放送されたということは、有田がGO！を出したということ。本音としては、この収録でくりぃむから飛び出した“名言集”をピックアップし、後から振り返ってイジりまくる意地の悪い企画につながればいいのに……なんて思ったりもするのだが。くりぃむしちゅーには、やっぱりふざけ続けてほしい。

寺西ジャジューカ（芸能・テレビウォッチャー）

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、（昔の）プロレス系。『証言UWF』（宝島社）に執筆。

記事一覧

サイト：Facebook

てらにしじゃじゅーか