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『関ジャム』“東京ソング”特集、長渕剛の「とんぼ」は東京育ちに刺さる!?

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『関ジャム』東京ソング特集、長渕剛の「とんぼ」は東京育ちに刺さる!?の画像1
『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)TVer

 8月21日に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)が行ったのは、題して「東京ソング特集」。“東京”をテーマにした曲を、作詞家のいしわたり淳治、シンガーソングライターの佐藤千亜妃、SUPER BEAVERの渋谷龍太が厳選する企画だ。

 東京ソングといえば、地方から上京したミュージシャンによる「東京ソング」と、東京生まれ東京育ちの人が歌う「東京ソング」の2種類がある。両者の内容は明らかに違うが、多くのリスナーにとって印象が強いのは前者だろう。

 東京で生まれた筆者からすると、上京者の歌う「東京ソング」は、そもそも東京に住んでいるこちら側には当然だけれど響いてこない。そして、“冷たい街”の象徴として東京が扱われる歌詞はやはり受け付けられない。

 同時に、上京したミュージシャンが歌う「東京ソング」の必要性も感じている。東京に夢見る人が持つ意気込みと比べると、東京育ちの人間には野心がなさすぎる。自分たちより地方出身者のほうが盛り場の知識はよっぽど豊富だったりするし、そこはもうバイタリティの差なのだろう。

 かつては、東京育ちのミュージシャンしか作れない音楽というものが確実にあった。大瀧詠一を除くメンバーが東京生まれだったはっぴいえんど然り、都内の輸入盤店や貸しレコード屋で入手した万単位のコレクションを音楽性の下地にしたフリッパーズ・ギターもそうだ。しかし、現在は東京と地方に物質の温度差はほぼない。それどころか、チェーン店の拡大によって東京独自の店、商品、文化はほとんどなくなった。

 つまり、今や両者の違いは、野心などを含んだスピリッツ、もしくは近場の実家のスネをかじれる経済格差の2つのみという気がするのだ。

 いしわたり、佐藤、渋谷というゲストの座組は、そういう意味でちょうどよかった。いしわたりと佐藤は東北育ちで、渋谷は新宿区歌舞伎町生まれ(名前が渋谷なのに!)である。

「自分が東京っていう街を意識するようになったのは、“上京コンプレックス”っていうのがあったんですよ。他の方(地方出身者)と比べると、皆さんが出てくるところ(東京)にそもそも根を張ってるから、『上京したことない』とバカにされることが多かったんですね。そういうのが悔しくて、23歳で一人暮らしを始めるんですけど。やっぱり、鼻で笑われながら『実家にいるんでしょ?』っていう感じがすごい嫌で、『じゃあ、出ます!』って言って(笑)」(渋谷)

 渋谷が体験したコンプレックスに共感してしまう。一方で、「東京生まれだから実家にいて何が悪い?」という言い分もあるだろう。エレファントカシマシの宮本浩次は24歳まで実家暮らしだったし、錦鯉の渡辺隆は今も父親と2人で実家暮らしである。

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