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『関ジャム』“東京ソング”特集、長渕剛の「とんぼ」は東京育ちに刺さる!?

福山雅治による、革新的な“上京ソング”

 続いて、いしわたりが挙げた「東京ソング」は、福山雅治「東京にもあったんだ」である。

「東京を歌う上京ソングでもそうなんですけど、『街がドライ』だとか『正直者がバカを見る世界だ』っていうようなパブリックイメージ、先入観があって、それを歌にした曲はすごい多いと思うんですよ。それがどうやったら新鮮になるかなと考えたときに、『東京にもあったんだ』という反省の視点、『自分も決めつけてたな』というところから入るのは、導入としてすごい美しいなと思うんです」(いしわたり)

 福山による「東京にもあったんだ こんな綺麗な夕日が」という箇所が、いしわたりの言う“反省の視点”なのだろう。彼の解説で思い出したのは、フジファブリックの「茜色の夕日」だ。あの曲には「東京の空の星は 見えないと聞かされていたけど 見えないこともないんだな」という歌詞が登場する。

 東京育ちの人間からすると「そりゃ、見えるよ」で終わってしまうところを「東京にもあったんだ」のキラーフレーズでつなぐあたりは、やはり革新的だと思う。あと、通常の「東京ソング」は東京にあって地方にないもの、地方にあって東京にないものを歌いがちだ。その表現にとどまらなかったのも秀逸である。

 思えば、福山雅治は長崎県生まれ。地方出身者の歌なのだ。

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