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TPの芸人礼賛

真空ジェシカ川北、一見“傍若無人”な大喜利回答の裏にあったチームプレー精神

――お笑い大好きプロデューサー・たかはし(TP)が見た、芸人たちの“実像”をつづる。

真空ジェシカ川北、一見傍若無人な大喜利回答の裏にあったチームプレー精神の画像1
「【大喜利】泥酔した学校の先生が叫んでること【大喜る人たち406問目】」 大喜る人たち〈大喜利動画〉YouTubeチャンネルより

 いま「大喜利シーン」が盛り上がりを見せている。『IPPONグランプリ』(フジテレビ)や『千原ジュニアの座王』(カンテレ)などのテレビ番組はもちろん、滝沢カレンさんが自身のYouTubeチャンネルで大喜利の特訓をしていたり、NMB48の渋谷凪咲さんが「大喜利が強いアイドル」として注目されるなど、お笑い界に止まらずブームになりつつある。

「大喜利」は、瞬発的にその場で思いついた笑いを披露するという点で、時間をかけて練りに練った笑いで競い合う賞レースの「ネタ」とは対極に位置する。まれに「大喜利っぽいネタ」も存在するからややこしいのだが、今回はちょっと無視する、ごめんね、まーごめ。

「大喜利」は「おおぎり」と読む。無意識にさらっと読めた人はお笑いの素養あり。日本で最も有名な大喜利は『笑点』(日本テレビ)だろう。みんな知っていると思うので、番組内容は割愛。『笑点』を見たことなくて日刊サイゾーにたどり着いている人がいたらかなり、偏っているので自分を見つめ直してほしい。

『笑点』は前半にネタ、後半に大喜利(コーナー)をしてるので、だいたいのお笑いライブと同じ構成だ。今のお笑いライブの源流は『笑点』にあり。しかし今回焦点を当てる大喜利は笑点ではない。うまい、山田くん座布団。

 今のお笑い界で「大喜利」というと、お題に対してホワイトボードやスケッチブックにペンで回答を書いて発表する形式を主に指す。『IPPONグランプリ』のあのシステムを想像すれば分かりやすいと思う。

 僕は大喜利を観るのが大好きだ。出されたお題に対して、どうしてそんな一瞬で浮かぶの?というくらい面白い答えが連発されて、大喜利ライブの会場は揺れに揺れる。ネタよりも出演者&お客さんどちらも緊張していないため、一瞬の笑いの爆発力は凄まじい。

 そんな大喜利に僕は「人生」を教わっている。

 令和ロマンのYouTubeチャンネル「official令和ロマン」で配信された「ママタルト檜原の明日勝てる大喜利講座」という企画内で、ママタルト檜原さんが話していた「大喜利のコツ」に僕の心は震えた。

「どんなに良い答えを出しても、それを消さなかったら次答えられない」

 これは、ホワイトボードを使って回答する大喜利において、至極当たり前のルールを言っているのだが、この言葉は深い、あまりにも深い。

 どんなに爆笑を取った回答だって、次また爆笑を取るためにはその答えを自らの手で消さなければならない。

 これは人生だ。

 どんなに成功しても、それを自慢しているだけじゃそこ止まり。だからその成功体験をいったん忘れなければ次の成功を手にすることはできない。失敗するリスクだってあるけれど、前の成功よりもさらに大きな成功をつかむことができるかもしれない。つまり、次の成功を手にすることができるのは、前の成功を捨てる勇気がある者のみ。

 僕はこの言葉を知ってから、大喜利をより多角的に楽しめるようになった。

 大喜利プレイヤーがウケた回答を消す瞬間、そして次の回答を書き始める瞬間も見逃せなくなった。ドカンと打ち上がった花火の散り際のように、儚くて切ない瞬間。配信で観ていたらここでハイボールをぐいっと……ありがとう大喜利、ありがとうママタルト檜原先生。

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