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『水ダウ』で物議を醸したおいでやす小田「閉所恐怖症」事件と芸人へのリスペクト

閉所恐怖症の人への配慮はあったのか…?

 小田さんに対する敬意はそれで充分伝わるのだが、一方で閉所恐怖症を持っている人に対してては、番組サイドの配慮が足りなかったように見えた。

 実は僕も閉所恐怖症である。

 映像を見ていて自分がその場にいるような感覚に陥り呼吸がしづらくなる。想像や妄想するのを止めようと思っても一度、軽くパニックになってしまったらそう簡単には元には戻らない。他の番組を見たり、歩き回って気を逸らしたり、そして深呼吸をして徐々に呼吸を整え、少しずついつもの状態に戻してく。あの放送を見て僕と同じように若干、パニック状態になった人も少なくないだろう。

 これが元々ドキュメンタリー番組や、そういったパニック症状を特集するような番組ならこちらも予防線を張れるのだが、まさかバラエティ番組でこのような光景を見るとは思ってもいないので、不意打ちをくらってしまったのだ。

 コンプライアンスが厳しくなりバラエティ番組で出来るお笑いの幅が狭まる一方で、芸人が見せるものはネタなどのお笑いだけではなくなり、逆に広がっていると言える。

 バラエティ番組の衰退化が囁かれる今、存続の為にやれる範囲のことをやるのは生き残る為には必要な事かもしれないが、昔ならお蔵入りになるような映像は、やはりお蔵入りにするべき理由があるのではないだろうか。

バラエティ番組には昔から「演出」というものがある。あまり過剰な演出をすると「ヤラセ」となってしまうが、視聴者を楽しませるためには何でもかんでも真実を伝えるのではなく、ある程度のフィクションがあってしかるべきだと僕は思う。

 今バラエティ番組に必要なのは法令順守ではなく、原点回帰なのかもしれない。

 

 

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2022/09/28 11:30
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