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『HiGH&LOW THE WORST X』に残された“不良モノ”としての宿題とは──ハイロー放談後編!

やっぱり岡田准一出演を諦められない!

──最後に毎度恒例となった、今後の展開に関する希望を好き勝手言っておきましょう。

加藤 『クローズ』からはさすがにもうキャラクターを引っ張れないですよね。

藤谷 そうですね。鬼邪高全日組はバイクに乗っている印象がないから武装戦線が出てきても困っちゃうかもしれないし。移動は徒歩の人たちでお願いしたい。楓士雄もチャリ移動でしたし、まあギリ、チャリはアリということで……。

加藤 さすがに走ってバイクには追いつけないですからね。ひょっとしたら次は、「千葉にすげぇやべぇ卑怯なやつがいるらしい、どうもそいつの横には髪がツンツンのやべぇやつもいるらしい」という展開も……?(『今日から俺は!!』)

藤谷 ヤマトにそっくりな人もいるんでしょ? 加藤さんの一番好きなヤンキー漫画は『今日から俺は!!』とのことですが、私は『カメレオン』が大好きなんです。話が逸れますが、今回の対談は、監督キャストインタビューの後に掲載されるそうですね。「日刊サイゾー」編集部は何を考えているんですか? 正直「だーーーーーっ 面白すぎる」とヤザワ君よろしく鼻水流しながら泣いています。

 で、『カメレオン』Vシネ版のように月亭方正(山崎邦正)さんにまたヤザワ君をやってもらうのも大変だと思うので、ここは松戸の「マツド苦愛」と戦ってもらいましょう。ほかにも、静岡に「アマギン」と呼ばれる男がいるぞ……という話になる可能性もあります。彼はそのまま令和に持ってこられないタイプの暴力野郎なので、その場合PG指定が大変なことになりかねませんが(『ウダウダやってるヒマはねェ!』)。しかしマッド苦愛もアマギンもバイク移動でした。

加藤 背中から金属バットが出てくる不思議な不良がいるかもしれない(『BØY』)。

藤谷 初めて買ったフライングVをその日にケンカでたたき壊しちゃう髪ツンツンのロックンローラーも出てくる(『BØY』)。

加藤 そうなったら最終的には「建物にロケットランチャーを撃ち込んだ沢田政寿という男がいるらしい」ってなっていきますよ(『ドンケツ』)。

藤谷 あるいは加藤さんもTwitterで言っていたように「ファブルという殺し屋がいる―――」でもいい。岡田准一さん! 我々(誰?)はいつでも歓迎しますよ!

加藤 岡田さんは絶対「HiGH&LOW」を観てるし、絶対やりたがってると思うんですよ。

──岡田准一さん待望説、我々『ザム』からずっと言ってますね。

加藤 ジャニーズの方に出てほしいというのは普通にあるんですよね。

藤谷 それでいうなら、ラウールさん(Snow Man)の尋常じゃない脚の長さを活かした、画面いっぱいの蹴りが観たい! それから、本人がLDHに所属する前から「ハイローMIYAVI待望論」を掲げていた我々としてはやはりMIYAVIさんに出てほしいですね。近年『ギャングース』『ヘルドッグス』など、やたらめったら邦画で反社会的組織の人を演じていますが、そろそろハイローにも反社のMIYAVIが必要なのはないでしょうか? いや、反社でなくてもいいのですが……。

加藤 久保(茂昭)監督がいなくてもここまで撮れることは示せたわけで、今作を各所への交渉材料にしていただいて……。あと、今回の作品は海外の方が観てもわかりやすいと思うんですよ。アクションがすごく多くて、セリフの総量は少なくてお話がシンプル。『ザワ』っていろいろな要素があって、しかも駄菓子屋とか団地とか「日本人ならなんとなくイメージできる要素」に頼っている部分があるじゃないですか。さだばぁは完全にイマジナリー老人(※フィクションにたびたび登場するイイ感じの老人のこと)ですし。たぶん海外の人が観たら「What is SADABAA??」ってなるでしょ。でも今回はそういうのがない。韓国のNCTファンの方も観るだろうし、海外に向けていよいよ照準を定めたのかなというのは少し思いました。

藤谷 Netflixでの過去作配信の際に、川村壱馬さんたちが多言語で紹介する動画もあったじゃないですか。もっと広がっていったら、各国の俳優さんが出てくる可能性もあるかもしれない。夢が広がりますね。

加藤 海外展開に関してもうひとつ強いのが、今回は鈴蘭が出てるので、なんのエクスキューズもなく海外で『クローズ5』って銘打てるんですよ。『EXPLODE』が3、『ザワ』が4、今作が5。「HiGH&LOW」のロゴを小さくして「クローズ」って大きく打ち出す売り方が、なんの後ろめたさもなくできる。オープニングで「I WANNA CHANGE」流して「これは『クローズ』だ」と言いはりましょう。

――加藤さん、『ザワ』のときの対談でも「海外タイトルは『クローズZERO 3』にしてもいい」「オープニングにTHE STREET BEATSのライブシーンを追加撮影で入れて『クローズZERO』感を出そう」と言ってましたよ。

加藤 全然I WANNA CHANGEできてないですね。よし、わかりました。また次に対談があるとしたら、そのときは何かしら良い方向にCHANGEしてきますよ。「あなたはどうする?」への「これが答えだ」を見つけてきますよ。そうしないと、6年も頑張っているハイローに申し訳が立たない。……さっき散々文句を言ったわりに、こういう気持ちになるので……やっぱ「あなたはどうする?」ってイイ台詞だったように思えてきました。確かに、僕もどうかしないといけません。

藤谷 こういう話、我々は一生していくんでしょうか。でも、それができることに感謝したいですね。ラブドリームハピネス……!

<プロフィール>
加藤よしき
ライター。1986年生まれ。本業はゲームのシナリオライター。映画ライターとしては「Real sound」などで執筆。最新著書は『読むと元気が出るスターの名言 ハリウッドスーパースター列伝』(星海社新書)。
ブログ:http://blog.livedoor.jp/heretostay/
twitterID:@daitotetsugen

藤谷千明
ヴィジュアル系とヤンキーマンガとギャル雑誌が好きなフリーライター。1981年生まれ。執筆媒体「サイゾー」「Real sound」「ウレぴあ」ほか。著書に『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』幻冬舎) 、『すべての道はV系へ通ず。』(共著/シンコーミュージック)などがある。
twitterID:@fjtn_c

<サイゾーのハイロー特集! 大大大開催中!>

斎藤岬(ライター)

1986年、神奈川県生まれ。編集者、ライター。

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さいとうみさき

最終更新:2022/10/18 19:00
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