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泣くな、岸田君!宏池会の憂鬱(3)

即断即決できない岸田首相、安倍元首相銃殺と日本社会党・浅沼稲次郎刺殺との共通点

即断即決できない岸田首相、安倍元首相銃殺と日本社会党・浅沼稲次郎刺殺との共通点の画像1
岸田文雄首相(写真/Getty Imagesより)

 今年7月8日、安倍晋三元首相が奈良市で選挙演説中に銃撃され死亡した事件と、62年前の1960年(昭和35年)10月12日、日比谷公会堂の演壇に立った日本社会党の浅沼稲次郎(あさぬまいねじろう)委員長が刺殺された事件には意外な共通点がある。二つの要人殺害とも宏池会(こうちかい)の首相の時に起きた。

 17歳の右翼少年、山口二矢が浅沼稲次郎を刺殺した時の首相は宏池会の創立者、池田勇人で、安倍晋三元首相が銃撃死した時の首相は現在の宏池会会長でもある岸田文雄首相だった。

 ただ、要人暗殺という政治テロへの対処、その後の処理で二人の間に雲泥の差が生じた。

 浅沼稲次郎日本社会党委員長の死去が伝わると、ただちに自民党本部に日の丸と自民党旗に黒いリボンをつけた弔旗が翻ったという。

 安倍晋三元首相が死去した8日に、米国のバイデン大統領は連邦政府施設での半旗の掲揚を指示した。日本政府が安倍氏の死去から2日後の10日になって半旗の掲揚を決めたのとは対照的だ。

『週刊ポストセピア 昭和の最強軍団』(小学館)によると、浅沼稲次郎の死亡が確認されると、すぐに池田内閣の官房長官だった大平正芳、前尾繁三郎、宮沢喜一らといった宏池会の幹部らが集まり、警視総監と警察庁長官を処分する方針を話し合ったという。

 結局、警視総監は東京都知事、警察庁長官は国家公安委員長に罷免権があり内閣の判断では辞めさせられないということになり、治安の最高責任者である山崎巌・自治大臣兼国家公安委員長を辞任させることで落ち着いた。この決定も浅沼が死んでから数時間の内というから如何に即断即決だったかを物語る。

 ちなみに、安倍晋三元首相が銃撃死した時の国家公安委員長は二之湯智(にのゆさとし)だったが、8月10日の内閣改造までポストに居座り続ける。加えて、二之湯は引退を表明していたので参議院議員の任期も7月25日で切れていた。

 元首相暗殺という国家的テロが起こったのにもかかわらず、2週間強は議員バッチもない民間人が治安の最高責任者を務めることになった。危機感の欠如と言おうか、どこか人ごとのような岸田内閣の対応だった。

 結局、警察庁の中村格(なかむらいたる)長官と奈良県警の鬼塚友章本部長がそれぞれ辞意を表明したのは死去した安倍氏の四十九日にあたる8月25日だった。特に中村警察庁長官に対しては辞任を表明するまでに約50日間もかかったことに「遅い」との批判の声が多数上がった。

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