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北海道新幹線停滞で自治体にさらなる負担増、冬季五輪も決定無期延期で暗雲

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 北海道経済にとってネガティブな報せが相次いでいる。

 国土交通省は2022年12月7日、「北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の整備に関する有識者会議」の報告書を公開した。そこでは建設プロジェクトの停滞と、それに伴う事業費の大幅な増加が明かされた。

 今回、報告書で見込まれた事業費増加額は6450億円だ。当初の計画では総額1兆6700円だったので今後、費やされる費用は4割増加の2兆3150億円となる。理由は「物価上昇と消費税上昇」、「発生土運搬処理や地質不良箇の補強」、「設計基準や工事ガイドライン、労務環境の変化への対応」など。新幹線の駅が設置される札幌市、小樽市、倶知安町、長万部町、八雲町、北斗市など市町では事業費財源の一部を賄うことになっているが、工期と全体事業費の増加額の先行きが不透明となるなか「簡単に負担増には応えられない」と、自治体の財政を懸念する首長たちの声が挙がり始めている。

 また国交省の報告書発表から遡ること1日前の6日には、国際オリンピック委員会(IOC)が、2030年冬季五輪の開催地決定時期を無期限で延期することを決定した。もともと年内に決定する予定が来年秋に延期されていたが、さらに期間が延長されることになった。なお北海道の新幹線が通る区間には、海外観光客でにぎわうニセコなどスキーリゾートも含まれる。冬季五輪が決定すれば、一帯が大いに盛り上がるはず。そんな“最高のシナリオ”に期待を寄せていた投資家も少なくない。

「ニセコ周辺のみならず、札幌市やそこから先の周辺地域の地価高騰は、冬季五輪や新幹線開通による経済効果を織り込んでいるはず。ネガティブなニュースが頻発するなか、この雰囲気に冷や水が浴びせられないか心配だ」(投資家A氏)

 実際、雲行きは怪しくなるばかりだ。冬季五輪誘致の議論は、2021年東京五輪・パラ絡みの汚職事件の影響で最悪のタイミング。道外のみならず道内世論の支持すら得難い状況だ。しかも北海道新聞などによると、鈴木直道知事は来春の知事選に向けて賛否が割れそうな招致活動には消極的な様子で、積極的に招致を目指す札幌・秋元克広市長との温度差も鮮明になってきたと報じられている。そこに来て新幹線の工期の遅れや開催地決定時期の延期が報じられた形だ。地元住民のひとりは言う。

「原材料や電気・原油価格の高騰もあり、地元企業や市民の不景気感は以前にも増して高まっている。中央の失策や不祥事が北海道経済に悪影響を及ぼさないよう、道内の政治家や自治体首長には団結してしっかりと対応して欲しい」

 今後はポジティブなニュースがでてくるのだろうか? 格差と分断が広がる2023年、地方都市の北海道から第2の夕張市が出てこないことを願いたいところだが……。

 

 

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

最終更新:2022/12/26 07:00
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