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『所JAPAN』終了でも所ジョージが芸能界で重宝されるワケ…その凄さを元芸人が分析

文=檜山 豊(ひやま・ゆたか)

『所JAPAN』終了でも所ジョージが芸能界で重宝されるワケ…その凄さを元芸人が分析の画像1
番組公式サイト」より

 所ジョージさんがメインMCを務める教養バラエティー番組の「所JAPAN」(フジテレビ系)が今年の3月いっぱいで終了すると昨年発表され、一部報道によると放送枠の移動で、思ったより視聴率が伸びなかったことが番組終了の原因と言われている。

 ちなみに後継番組は若年層をターゲットにしたものになるそうだ。つまり所さんでは若年層が食いつかないと判断されたということになる。現にSNSでは所さんに対して「なぜ人気があるのかわからない」や「コメントが上から目線で不愉快」などの声が若年層からあがっているらしい。

 確かに今の若年層には所さんの凄さはとてもわかりづらいし、所さんの活躍していた時期を見ていなければ、何故現役でレギュラー番組をいくつももっているのかも理解しにくいだろう。

 今回は元芸人目線で所さんを分析し、所さんの凄さがわからない人に少しでも所さんの凄さを伝えられればと思っている。

 所さんの凄さをお伝えする前に、まずはSNSの声に対して少し意見を言わせていただく。「コメントが上から目線で不愉快」という発言だが、所さんが出演している番組は、たぶんだが所さんが座長であり、出演者の中で所さんが一番目上であることは間違いなく、下手したらスタッフよりも目上である可能性もある。そうなるとコメント自体が目上の人からのコメントなので、上から目線になることはごく自然なことであり、ある意味当たり前のことなのだ。

 しかし、このご時世だと、目上だからといって上から目線のコメントをすることさえ古い考えであり、それを不快に思う人はいる。つまり、所さんの当たり前だったことが、今の時代では当たり前でなくなりつつあるのだ。

 さらに、不愉快になるのは別の理由があるのではないだろうか。その理由のヒントは、所さんへ対するある批判に見出すことが出来た。

 2019年に放送された「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)で、明石家さんまさんに対して「彼氏とか見つけて、早く孫を出せって」と娘のIMARUさんに結婚、出産させるように勧め、さらに「だって親孝行とか、おじいちゃん孝行なんだよ。それは」と子供を作るのが親孝行であるという趣旨の発言をしたり、「世界まる見え!テレビ特捜部」(日本テレビ系)ではビデオ会議でAIが自動でメイクする機能を紹介した際に「化粧しなさいよ」とAIを使わずに自分で化粧をした方がいいという発言をして女性視聴者からの批判的な声があがったりと、前時代的な発言をしてしまう部分も現代の視聴者からしてみると不愉快に感じるのだろう。

 ちなみにこれは僕の憶測だが、所さんの「化粧しなさいよ」という発言は女性蔑視などではなく、現代の男性が洋服のコーディネートをしてくれるアプリを使ったとしても同じように「コーディネートくらい自分でしなさいよ」というのではないだろうか。まあどちらにせよ、今の社会風潮に合っていないと思われる発言なので批判的な声があがってしまうのは致し方ないことだ。ただ前時代の人たちは今よりも差別的な教育をされており、それが身体に染みついてしまっている場合が多く、現代人よりもコンプライアンス意識が低い傾向にあるのは、現代人として認識しなければいけないポイントなのかもしれない。

 そして、もうひとつ「なぜ人気があるのかわからない」という意見なのだが、誰に対しての人気が無いと言っているのだろうか? 確かに若年層にとっての人気は少ないかもしれない。

 現在各番組のMCは大半が芸人であり、過去の経歴を知ることが容易なので成り上がり方がとてもわかりやすい。しかし、所さんは元々芸人ではなくミュージシャンだ。さらに、吉本興業やホリプロのようにわかりやすい事務所にも所属していない。過去にどんな経歴があるのか、一体どうやってレギュラーを複数抱えるMCになったのかが、現在活躍しているMCの中でも群をぬいてわかりづらい位置にいるのだ。

 さらに、所さんは芸人と比べると「無個性」に近い存在だ。「無個性」のタレントは面白さがわかりづらい。わかりやすさがメインの今のテレビ業界に慣れている若年層視聴者からしたら、わかりづらいはそれだけで“悪”なのだ。

 そもそもMCというのは面白ければ良いというものではないのだ。番組に参加してくれる一般人や毎回のゲストを引き立たせるというのもMCとして大事なスペックのひとつであり、番組によってはそれが一番重要であったりもする。所さんのようにある意味「無個性」で目立ち過ぎないMCは共演者を引き立たすにはもってこいの存在で、芸能事務所からはとても重宝される。

 さらに、所さんくらい力が抜けていて、見ていて疲れないMCは幅広い年齢層に好かれる上に、バラエティ層以外にも支持を得やすく、時代に左右されない存在は、大うけはしないかもしれないが細く長く番組を続けられる可能性が高いので、番組サイドとしてはとても使いたくなるはずだ。

 ここからは違う角度からの話をしようと思う。皆さんは所さんの番組を見ていて、出演者に違和感を感じたことはないだろうか? 所さんの番組には大して人気の無い若手芸人や、流行りにのっていないタレントが出演することがままある。

 所さんくらいの位置になると、出演させたいゲストを呼ぶことが出来るようになる。その権限を使って自分が会いたい女優さんなどを呼ぶようないやらしいタレントもいるが、所さんの場合、人気や流行りに関わらず、自分が面白いと思った芸人などを呼んでくれるのだ。なので売れる前の芸人だったり、少しブームが去ってしまった芸人などを色んな番組で使ってくれる。

 これはタレントにとっては非常にありがたいことで、人気至上主義のテレビ業界においてはかなり稀有な事なのだ。所さんのお陰で業界から消えずに息を吹き返した芸人やタレントはやまのようにいる。なので所さんはタレントからの信頼が厚く、とても頼りにされる存在なのだ。

 流行りに流されず、面白いと思った人をゲストに呼んでくれて、しかもそのゲストを引き立たせ、幅広い層から支持を得て、長く番組を続けられるMC。この情報だけでもMCをやってもらう価値があり、存在意義がある。

 帰宅して、なんとなくテレビをつけて、とくに情報も多くない脱力系バラエティ番組を見流しながらご飯を食べる。何気ない日常だが情報過多の現代において、脱力系のバラエティ番組はある意味オアシス的な存在といえるだろう。脱力系バラエティには脱力系MCが必要で、面白さを競い合うMCが多い中、脱力系MCは稀なのだ。

 元祖脱力系タレント、所ジョージ。とてもレアで貴重なMCだということを今一度みんなに認識してほしい。

檜山 豊(ひやま・ゆたか)

檜山 豊(ひやま・ゆたか)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

最終更新:2023/01/26 13:00

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