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東京03角田がCM界で人気に!コント師CMが増加する理由

文=黒崎さとし(編集者・ライター)

東京03角田がCM界で引っ張りだこ!コント師CM増加の理由の画像1
東京03 プロダクション人力舎 公式サイトより

“人を笑わせる”という仕事から派生し、情報番組のパーソナリティーや役者、実業家なんてのもあるほど芸人が求められる場が多様化している昨今、大御所だけに限らず若手まで起用されるCM市場は、その中でも需要が顕著なところだろう。

 CMはテレビ番組の合間に15秒ほどでいくつか流れるのが一般的であり、一瞬で視聴者を魅了させるためにも、キャッチ―な構成や音楽、そして登場人物のキャラクターが重要になってくる。

「もちろんジャニーズや全国区な俳優やミュージシャンがいいですが、やっぱり値(出演料)が張りますからね。一方で、お笑い芸人がCMに起用される要件としては、キャラクターの認知、特にネタの認知というのが基本不可欠です。その意味では、これまでは漫才師のほうがCMに起用されやすかった。またピン芸人も流行語や社会現象になるネタがあるので、それをもじったりして多く起用されてきました。一方でコント師は、キャラクターの浸透に時間がかかりまた、持ちギャグなどもないため、なかなかCMには起用されてきませんでした」(大手代理店社員)

 藤崎マーケットやチョコレートプラネットなど、いわゆるリズムネタといわれる、マネしやすいリズムとノリに合わせたギャグを得意とする芸人のCMを目にすることは多いだろう。

 ただ最近はそうした潮目にも変化があり、プロダクション人力舎に所属するお笑いトリオ東京03などコント師と呼ばれる芸人を起用したCMが増えてきている。

「コント師だからお芝居がつくりやすくてしかも俳優より安価だから、そもそも起用しやすいはずだったんですがやっぱり、知名度が必要です。東京03の場合は、メンバーのキャラが一般層に浸透してきたのが大きいでしょう。

 また、芸人が広告で演技するとどうしても、わざとらしくてネタっぽくなってしまうことが多いのですが、東京03はあんまりガツガツしているタイプの芸人ではないから、自然体で演技できるっていうのも大きいです」(CMディレクター)

 中でも人気なのは、1番右に立っているボケ担当の角ちゃんこと角田晃広だ。あの2020年に放送された大人気ドラマシリーズ『半沢直樹』(TBS系)にも出演し、話題になった。

 第2話の中でキーパーソンになる役を任されていたが、その演技があまりに自然で芸人だったと気がつかない人もいたと、当時は話題だった。

「角田の、映像作品などへの起用がかなりプラスに働いていると思いますよ。結局、キャスティングってクライアントの好みだったりするアナログな世界なのですが、『半沢』出演で角田の、役者としての知名度が一気に上がったことがあげられます。また好感度が高いというよりも、もっとも重要な“嫌いな人がいない”というニュートラルな立ち位置にいるのが大きいと思います。日常も演じられるし、ビジネスマンもできるし、全世代で“見たことある顔”くらいのそこそこの知名度と汎用性の高さかが評価され、特に角ちゃんは使われやすいですね」(同前・大手代理店社員)

 その結果、 株式会社さとふるの「ふるさと納税」のCMはシリーズとなり麻生久美子などとと共演中のほか、さまざまなCMでシーズンごとに出演している。メンバー個人でも、角田が現在放送中のサントリー『翠ジンソーダ』などに出演中。また飯塚も、三井住友カードのシリーズCMに出演しているほか、大塚製薬やキリンビールなどコンスタントにCMに出演をしている。

 そんな東京03だが10以上年前に起きたあの一件で、一時はお先真っ暗だった時代もあるのだ。本人たちは思い出したくもないかもしれないが、TBS恒例の『オールスター感謝祭』で、それは起きた。

「司会だった島田紳助さんが、本番前に挨拶に来なかったことや本人たちの収録中のやる気のない態度にブチ切れ、暴行寸前の事件を起こしたと大問題になりました。当時まだ東京03はテレビ出演に慣れていなかったり、“時間を取らせても悪い”とあえての選択だったものの、挨拶しなかったという非もあり収録後に直接、謝罪して収まったようです。ただそれでバラエティ番組に対してトラウマ的なものを抱いたのかゴールデンタイムの番組にはそれほど出演できませんでした。逆にそれ以降、舞台での芸を磨きさらに単独ライブが人気に、また俳優としても活躍の場を広げることにも繋がったんです。ブレイクするといわれて十年以上ブレイクしなかった。じっくり認知を広げていったことが、今の地位獲得につながってると思います」(芸能リポーター)

 一発屋のような派手なリアクションや、独特な歌と踊りを多用せずとも、着実にコツコツとCMを勝ち取っているため、視聴者の飽きがくることもなさそう。

 ハナコやシソンヌなどのコント芸人も、この流れに続けるだろうか?

 

 

黒崎さとし(編集者・ライター)

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。

最終更新:2023/02/15 12:00

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