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山田涼介、橋本環奈とのラブコメで俳優として“名誉挽回”なるか 原作改変の不安要素も…

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山田涼介(写真/Getty Imagesより)

 Hey! Say! JUMP・山田涼介が相手役を務める橋本環奈の主演ドラマ『王様に捧ぐ薬指』が、4月期にTBS系の“胸キュン枠”こと火曜ドラマ枠で放送されることが5日に発表された。橋本の地上波連ドラ初主演作となることが話題になる一方、業界内では山田にとって“勝負作”になるともささやかれている。

 同ドラマは、わたなべ志穂氏が2014~2017年に「プチコミック」(小学館)で連載した同名コミックの実写化。貧乏な大家族の長女で誰もが認める「絶世の美女」である羽田綾華(橋本)が、勤務先の結婚式場の社長で大企業グループの御曹司の新田東郷(山田)から突然プロポーズされるというストーリー。綾華は家族を守るためのお金目当て、東郷は業績不振の結婚式場を立て直すためと、それぞれ理由があって互いに好きでもない相手と“偽装夫婦”になるが、そこから本物の恋が始まるという王道ラブコメとなっている。

 橋本は『1ページの恋』(ABEMA)や『連続ドラマW インフルエンス』(WOWOW)で連ドラ主演を務めたことはあったが、意外にも地上波連ドラの主演は今作が初めて。そういう意味でも注目度が高く、数々のコミック原作映画でヒロインを務めてきた橋本の本領が発揮されそうな気配だ。

 一方、山田にとって今作は“名誉挽回”の勝負の一作となる。

 昨年秋クールに放送された主演ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)は、山田が二重人格という難しい役柄を見事に演じていたものの、過激な拷問シーンなどの影響で脱落する視聴者が続出し、全9話の平均世帯視聴率が3.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という歴史的大惨敗に。今世紀の全民放ゴールデン・プライム帯ドラマで視聴率ワースト1位となっていた川口春奈主演の『夫のカノジョ』(2013年10月期、TBS系)の3.837%を下回ってしまった。『親愛なる僕へ殺意をこめて』は第8話がサッカーワールドカップ日本戦と被り、世帯2.5%を記録するという“不幸”もあったが、これを除いても全話平均で4%台には届かず、TVerなどの見逃し配信でもあまり振るわなかった。

 また、山田といえば昨年は『大怪獣のあとしまつ』『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』と主演映画が立て続いたが、興行収入はいずれもふるわず、『大怪獣のあとしまつ』は酷評の嵐となり、「山田は主演作に恵まれない」といった説もささやかれている。

 もっとも、『親愛なる僕へ殺意をこめて』については猟奇殺人をテーマにした内容とファン層が噛み合っていなかったのではとの指摘もある。実際、昨年4月期にテレビ朝日のオシドラサタデー枠で主演したラブコメ『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』は、初回の見逃し配信が同枠の歴代最高記録となるなど大きな反響を呼び、人気が高かった。『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)のようなコメディ作品での演技も評価が高く、それだけに「王道ラブコメ」である『王様に捧ぐ薬指』は山田との相性は抜群のはずで、そのぶん“絶対にコケられない作品”でもある。相手役が若手女優トップクラスの人気者である橋本であればなおさらだ。

 山田は『王様に捧ぐ薬指』への出演について、「今年30歳になる僕が今回、王道ラブコメ少女漫画原作ということで、皆さんをキュンキュンさせられるか不安なところはありますが……(笑)」と冗談交じりにコメントしており、年齢的に「王子様」的なイメージを続けていくことへの不安と葛藤をのぞかせている。それが先述した『親愛なる僕へ殺意をこめて』のような作品を選んだ理由のひとつになったのだろうが、やはり世間から彼が求められているのは「キラキラした王子様」であり、葛藤を乗り越えて演じ切れるかどうかが今作の成否をわけることになるかもしれない。

 さらに、今作は別の不安要素もささやかれているようだ。原作では、ヒロインの綾華は誰もが認める美貌の持ち主なのに高飛車な性格で、数々の男性を手玉に取ってきことから「悪女」と呼ばれている。先述したように、ドラマ版の綾華は「美女」という設定は共通ながら「悪女」という印象はなく、キャラクター設定が改変されているとみられる。また、原作は大胆なラブシーンが多い印象があるが、橋本と山田というキャスティングから考えると、かなりマイルドになるのではと推察される。

 原作そのままでなければいけないわけではないが、設定のアレンジがハマるかどうかはふたを開けてみないと分からないところがある。いくら山田や橋本のコメディ適性が抜群であっても、そうした不安要素は残ってしまうようだ。

 橋本にとっては記念すべき地上波連ドラ初主演作、山田にとっては名誉挽回の勝負作となる『王様に捧ぐ薬指』。さまざまな意味で注目度の高い作品になりそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/04/28 13:14
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