『インフォーマ』はなぜテレビドラマの常識を覆したのか…プロデューサーを直撃！

2023/02/16 10:00

カンテレ 藤井道人 沖田臥竜 インフォーマ

第6話で明かされる「ポンコツ1号」との過去

――第5話では木原と冴木が直接対決、そして第6話ではポンコツ1号の正体や、彼を襲った悲劇が明かされることに。目が離せない展開が待っています。

角田　第5話は、藤井監督の事務所「BABEL LABEL」に所属する若手の林田浩川監督が手掛けています。まだ29歳ですが、才能だけでなく度胸もある。キャストの皆さんに対しても、しっかりとディレクションして、自分のやりたいことをきちんと映像にしています。続く第6話は藤井監督がみずから演出し、映像的にも凝っていて、見応えのあるエピソードに仕上がっています。

豊福　第6話は「エピソード０」ですね。それまで会話にしか出てこなかった「ポンコツ1号」に焦点を当てた物語です。また、木原がなぜ5年ぶりに東京に現れ、森田さん演じる冴木を追っているのか、その理由も明らかになります。大きな山場です。第5話の終盤を観て、ポンコツ1号の正体を知った人は「え～っ」となるんじゃないでしょうか（笑）。さらに、その先には木原と冴木の関係性や「ポンコツ2号」こと三島の人間的な成長ぶりも描かれるので、ぜひ注目してください。

角田　アクションシーンも楽しめると思います。多くの映画、ドラマに参加しているスタントコーディネイターの吉田浩之さんが監修されているので、アクション映画的な迫力があります。大きなスクリーンでも観たくなるはずです。

――昨年は社会派ドラマ『エルピス ―希望、あるいは災い―』（カンテレ制作、フジテレビ系）が大きな話題になるなど、カンテレは攻めている印象が強い。

豊福　3年ほど前に異動したのでドラマ制作の現状はわかりませんが、「それ、ホンマにおもろいならやったれ」みたいな関西人気質があって、そこはすごくいいなと私は思っています。所帯が小さい分、自由度が高く、機動力もあるように思いますね。

角田　カンテレさんと一緒にドラマづくりできていることは、僕らにとってもありがたいです。テレビ局のプロデューサーと、ここまで話すことってほとんどないです。僕らの「面白いドラマをつくろう」というのにカンテレさんが乗ってくれたから、『インフォーマ』はここまでのクオリティになったことは間違いありません。Netflixで今後始まる全世界配信で、どんな反響があるのかも楽しみです。

（文＝長野辰次）

豊福陽子
関西テレビ・コンテンツビジネス局所属。主な担当作品にドラマ『チーム・バチスタの栄光』『ゴーイングマイホーム』『素敵な選TAXI』『僕のヤバイ妻』や、映画『アンフェア the answer』（11）、『劇場版シグナル　長期未解決事件捜査班』（21）などがある。

角田道明
制作会社「ラトロン」代表。藤井道人監督の『青の帰り道』（18）や『デイアンドナイト』（19）のラインプロデューサーを担当。藤井監督の『ヤクザと家族 The Family』（21）と沖田臥竜原作の深夜ドラマ『ムショぼけ』’（朝日放送）に続き、横浜流星主演映画『ヴィレッジ』（4月21日公開）のプロデューサーを務めている。

ドラマ『インフォーマ』
毎週木曜深夜0時25分～0時55分放送中（関西ローカル）
見逃し配信：カンテレドーガ・TVer
Netflixでは地上波に先駆けて先行配信中

ドラマ『インフォーマ』予告映像

桐谷健太演じる主人公で、裏社会・政治・芸能など、あらゆる情報に精通するカリスマ的情報屋“インフォーマ”木原慶次郎と、佐野玲於（GENERATIONS）演じる週刊誌「タイムズ」記者・三島寛治が、警察・ヤクザ・裏社会の住人たちを巻き込み謎の連続殺人事件を追うクライムサスペンス。事件の背後に存在する謎の集団のリーダーで、木原の因縁の相手となる男を、事務所移籍後初のドラマ出演となる森田剛が演じる。

小説『インフォーマ』
沖田臥竜／サイゾー文芸／税込1320円
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週刊誌記者、三島寛治の日常はひとりの男によって一変させられる。その男の名は木原慶次郎。クセのあるヤクザではあったが、木原が口にした事柄が次々と現実になる。木原の奔放な言動に反発を覚えながらも、その情報力に魅了された三島は木原と行動をともにするようになる。そして、殺人も厭わない冷酷な集団と対峙することに‥‥。社会の表から裏まで各種情報を網羅し、それを自在に操ることで実体社会を意のままに動かす謎の集団「インフォーマ」とはいったい何者なのか⁉パンデミック、暴力団抗争、永田町の権力闘争、未解決殺人事件…実在の事件や出来事を織り交ぜ生まれた「リアル・フィクション」の決定版！