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『夕暮れに、手をつなぐ』に出演で注目度上昇の黒羽麻璃央とは?

 広瀬すずが演じる九州出身のデザイナー志望・浅葱空豆と、King&Princeの永瀬廉が演じる音楽家を目指す海野音の「夢」と「恋」を描く、TBS系ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』。このドラマの第4話の終わりから、空豆が憧れるファッションブランド「アンダーソニア」のパタンナー・葉月心役で登場している黒羽麻璃央が注目を集めている。

 3月7日に放送された第8話では、遠藤憲一が演じる「アンダーソニア」デザイナー・久遠徹から葉月(黒羽)は、「歌姫」セイラのミュージックビデオ用の衣装作りをしている空豆を「手伝うように」と言われる。空豆が描いたスケッチブックを見て、デザインの才能を感じ「俺、決めた。お前についていく」と語る葉月。レコード会社での打ち合わせで空豆の才能を力弁する葉月の姿を見て、セイラが音に「空豆、あの人のこと好きなのかな。葉月さん」と聞くシーンも登場して、『夕暮れに、手をつなぐ』の人間関係に、今後なにかの変化が起きそうな予感を示唆する。

 黒羽が演じている葉月心という役は、ドラマのラブストーリーが新しい展開の方向に流れていく分水嶺となりうる可能性をひめた役だ。このポジションの役は、元カレ、幼なじみ、新しく出会った会社の同僚といった形で登場することが多く、恋のライバルになったり、ならなかったりして、主人公たちの心を揺らし、同時に視聴者の心もザワつかせる。最近はドラマの視聴者が物語性を重視するようになって、主人公やヒロインだけでなく、こうしたポジションの役柄を演じる俳優が脚光を浴びるケースが少なくない。

 昨年秋にヒットしたフジテレビ系ドラマ『silent』では、川口春奈が演じた主人公・柚の元カレ・戸川湊斗を演じた鈴鹿央士が注目を集め、世間での俳優などの注目度を調査しているタレントパワーランキングの2022年11月度調査では、メインキャストである目黒蓮を抑えて鈴鹿が男性俳優部門の上昇率1位となった(アーキテクト「タレントパワーランキング」Web2023年2月21日配信の記事より)。女優では、北川景子が主演した2021年放送のTBS系ドラマ『リコカツ』で北川の夫である自衛隊員にひそかな思いを寄せる後輩自衛官を好演して、『夕暮れに、手をつなぐ』でセイラを演じている田辺桃子が注目を集めた(『リコカツ』のParaviオリジナルストーリー『リコハイ!!』には黒羽も出演していた)。

  黒羽は、2010年にジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリに輝き、芸能界入り。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで俳優デビューして、最近はドラマや映画で活躍。TBS系『恋はつづくよどこまでも』のスピンオフとしてParaviで配信された『まだまだ恋はつづくよどこまでも』で上白石萌音が演じた主人公の行きつけの居酒屋のイケメン店員役としてメインキャスト出演したほか、坂口健太郎、杏が公取委の審査官を演じたフジテレビ系『競争の番人』では杏の警視庁捜査一課時代の同僚刑事にして彼氏役を演じた。

 イケメン俳優として注目を集める若手の多くは、クールな役柄を演じることが多いのに対して、黒羽は明るいキャラクターを得意として、貴重な存在になっている。演技力の評価が高く、特にすぐれているのが、目線の使い方の巧さだ。『夕暮れに、手をつなぐ』でも、第7話で空豆の衣装の材料の買い物につきあうシーンや第8話で空豆とカフェで会話するシーンにおいて、視線の動きを効果的に使っていた。それは、豊富な舞台出演経験で培ったものだといえる。舞台作品では舞台上にいるときにはつねに観客から見られているため、映像での演技以上に、「セリフをしゃべていないときに、どのように目線が動いているか、どんなしぐさをしているか」の芝居が必要とされるからだ。

 黒羽はまた、共演する人物との距離感を表現するのもうまい俳優であり、ゆえにラブストーリーと抜群に相性がいい。『夕暮れに、手をつなぐ』でも、黒羽が演じる葉月心が広瀬すずが演じる空豆と奏でる「演技のハーモニー」の心地よさが印象的だ。

 若手のイケメン系俳優は、女性を中心に支持を集めることが多い。だが、主演級俳優として本格ブレイクするためには男性層にも支持されることが求められる。黒羽は、明るい人物が似合う柔らかい魅力から、男性の支持も高い。その強みもあって注目度がどんどん高まっている。

 黒羽が『夕暮れに、手をつなぐ』で演じているのは、デザイナーがイメージした世界観を立体化して洋服にするためのパターン(型紙)を起こすパタンナーという職業だ。俳優・黒羽麻璃央も同様に、パタンナーのように、ドラマの「シナリオ」(=デザイン画)を立体的な物語に膨らませて、脚本には書かれていない行間を伝えるために、セリフを言うリズム、しぐさ、目線などで独自の表現を加えて、魅力的なパターンメイキング(=演技)を行っていると言える。これから先のドラマや映画で、どのような物語を紡いでいくのか、期待感が高まる。

(文=高倉文紀/評論家)

最終更新:2023/03/10 15:23
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