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コロナ5類移行でも…テレビ番組テロップ「スタッフはPCR検査済み」が減らぬワケ

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Getty Images

 
 コロナ禍が長引く中で、すっかり当たり前となったテレビ番組内のコロナ対策。

 スタジオにアクリル板が用意されたり、出演者同士がソーシャルディスタンスを確保したり、リポーターがマスクを付ける姿にはすっかり慣れきってしまったが、同じく常識となったのが、ロケ番組や旅番組で登場する「ロケに参加したスタッフは全員PCR検査を受け、陰性を確認しています」というテロップだ。

「2020年春にコロナが一気に感染拡大し、テレビ業界も大混乱。いったん、ロケは完全にストップしましたが、ロケをやらないと成立しない番組は多く、制作会社から“このままでは会社が潰れる”という悲鳴も上がり、恐る恐るロケを再開する折に生まれたのが、『スタッフはPCR検査を受け……』というテロップでした。

 感染拡大当初は県をまたぐことさえままならず、地方に出かけてそこでウイルスをばら撒いたりしたら、番組が終わるどころでは済みません。番組に出演する芸能人はもちろん、画面に映っていないスタッフもしっかり感染対策を行い、それを視聴者にもアピールする必要があったんです」(キー局関係者)

 未知のウイルスに対し、あらゆる人が疑心暗鬼になったのは仕方のないこと。それから3年が経過して、5月8日からはコロナが5類感染症に移行し、マスクの着用が個人の判断に委ねられるようになるなど、大幅に規制は緩和されたが、一部の番組では今後もスタッフのPCR検査を行い、その旨を記すテロップも残す方向だという。

「現場の人間に話を聞くと、スタッフも会社側もPCR検査はすぐにでもやめたいのが本音。費用も手間もかかりますし、“調べるから陽性者が出るんだ”という意見もありました。ただ、ロケ現場はいわゆる“密”になる場面が多く、1人が感染すると一気に広がるケースもある。実際、ある旅バラエティ番組ではクラスターが発生しています。

 視聴者の中に“慎重派”の人が一定数いるのも、PCR検査やテロップをやめられない一因です。コロナが長引く中で、視聴者の中に『マスクをしていない!』『距離が確保できていない!』など番組内容より感染対策ばかりチェックする人が現れ、少しでも不備があるとすぐにクレームを入れる方がいるんです。逆に『スタッフ全員がPCR検査を受け』というテロップを出すと、『よくやった』と連絡してくるという……(苦笑)。

 また、現時点ではコロナに対する関心が下がっていますが、今後、どこかのタイミングでまた一気に関心が高まる可能性は十分ある。そのとき、対策を万全に講じていなかった番組はお蔵入りになる可能性がある。とにかくそう簡単に『5類移行になったので、コロナ対策もスタッフの自己責任で』とはいきません」(民放バラエティ番組制作関係者)

 いつの日か、コロナ対策を昔話として話せる日がやって来るのだろうか?

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/05/25 09:00
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