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オリックス優勝と阪神“アレ”に維新の会が便乗、大阪自民は結党史上最悪の“全滅”か

維新の会が便乗する阪神アレと結党史上最悪の大阪自民全滅で戦々恐々の画像1
写真/Getty Imagesより

 見事3連覇を成し遂げたオリックス・バファローズ、そして18年ぶりにセ・リーグ制覇を果たした阪神タイガース。阪神の岡田彰布監督は「優勝」を口に出さず「アレ」と言ったことから、「アレ」が今年の流行語大賞の呼び声が高い。

 この盛り上がりに便乗するのはビジネス界の常だが、政界も例外ではない。とりわけ浮足立っているのは、大阪に本部を置く日本維新の会である。

 大阪府担当記者が言う。

「日本維新の会共同代表である吉村洋文・大阪府知事は、その瞬間を大阪市内のホテルでテレビ観戦。翌日の記者会見で、大阪市内で優勝パレードを実施する方針を示しました。さらに阪神タイガースの本社のある兵庫県の斎藤元彦知事とも協議して、イベントを開催していくことも明らかに。斎藤氏は、維新の推薦で当選した維新系知事ですから、結果として、維新で『アレ』に乗っかっているわけです」

「この動きは、衆院の解散戦略とも絡んでいると見ていい」

 そう警戒するのは、自民党大阪府連関係者だ。

「早ければ10月にも衆院解散、11月に総選挙の可能性があり、その期間に重なるのです。大阪が本拠地のオリックス・バファローズが優勝したことでパレードを実施するそうだし、両者が日本シリーズで戦うとなるともっと盛り上がる。そのたびに吉村氏は、会見でこの話題に触れ、全国ニュースでも流される。『公務』をしながら、維新共同代表が露出し続けることになるのです」(同)

 ただでさえ勢いのあった維新だが、これまで候補を擁立してこなかった公明党現職のいる大阪、兵庫の6小選挙区への候補者選定を完了。公明の支持母体・創価学会が「常勝関西」として力を入れる地域に、殴り込みにいったのだ。

 政治部記者が解説する。

「6選挙区すべてで公明が勝ってきたが、それが維新の議席になりそうです。”阪神効果”に便乗すれば、その可能性は一層高まる。現状、公明の小選挙区当選は9ですから、関西から6減るとなれば公明党の心理的にも大打撃。公明党の力が削がれ、政界再編もありえます」

 だが最も戦々恐々なのが、大阪の自民党だ。

 2021年の衆院選で、自民は大阪府内19選挙区のうち、公明がいる4選挙区をのぞく15選挙区に公認候補を立てたが、維新に全敗。かろうじて2人が比例復活当選した。これに危機感をいだいた党本部は「大阪刷新本部」を発足させ、公募を実施したのだが……。

「新顔は5人にとどまり、他の選挙区は元職、元候補者がそのまま公認に。要は勝てる候補を見つけられなかったということ。『大阪選出議員、ゼロ』という、結党史上最悪の事態になりそうです」(同)

 前出の府連関係者は、「IRが開業予定の2029年ごろまでは、維新には勝てない」とすでに白旗を上げる始末だ。

 当分、維新の躍進は収まりそうにない。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/09/20 22:00
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