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鬼レンチャン、オオカミ少年、バナナサンド、帰れマンデー…カラオケ企画大増殖の“終わってる”感

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写真/Getty Imagesより

 日本礼賛や街ブラなど、テレビ界には常に「◯◯ブーム」があるが、ここ最近、異常に多いのがカラオケ企画だ。『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)や『オオカミ少年』(TBS系)のようにカラオケ企画がメインになっているものもあれば、『バナナサンド』(TBS系)は「ハモリ我慢ゲーム」が目玉コーナーに。『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)や『帰れマンデー見っけ隊!!』(テレビ朝日系)にもカラオケ企画が登場している。

 この他にも、『THEカラオケ バトル』(テレビ東京系)、『生放送で満点出せるか 100点カラオケ音楽祭』(TBS系)、『熱唱!ミリオンシンガー』(日本テレビ系)といった特番が不定期で放送されており、毎日どこかの放送局でカラオケ番組をやっている。

「各局の狙いは、幅広い年代の視聴者を呼び込むことです。今や家族でテレビを見る光景など過去のものになりつつありますが、歌の力を借りれば老若男女を取り込むことは可能。例えば1990年代の曲なら30代から40代はど真ん中ですし、TikTokなどの影響で若者も何とか付いていけます。一見、ただ呑気に歌っているように見えますが、選曲は90年代から2000年代、もしくは最新のヒット曲に絞られており、かなり気を使っていることがわかります。さらにスマホ視聴と相性が良いのも、カラオケ企画乱立の大きな要因でしょう。カラオケなら、曲が終わったタイミングで一旦見るのをやめたり、知らない曲を飛ばしたりするのも簡単。“ながら見”をするのにもピッタリですから、時代にフィットしています。後は身もふたもない話ですが、カラオケ番組は低予算でできるのも大きな魅力です。セットを1回作ってしまえば、後はそれを使い倒し、カラオケを流すだけ。トーク番組なら、トークスキルがあって、なおかつ人気や知名度が高い芸能人を集める必要がありますが、カラオケならそれほどキャスティングに力を入れる必要もありません」(キー局関係者)

 かくして“テレビをつければカラオケだらけ”という状況になっているが、この傾向はさらに進む可能性が高いという。

「バナナマンとサンドウィッチマンがタッグを組んだ『バナナサンド』や、ダウンタウン・浜田雅功が司会の『オオカミ少年』は、どちらも視聴率が相当に厳しい状況でしたが、カラオケ企画を始めたことで改善の兆しが見られた。特に『バナナサンド』は、当初は惨敗だった『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に迫る回もあり、俄然、勢いに乗っています。

 この事実はすでにバラエティ関係者には知れ渡っており、初回視聴率が3.0%(ビデオリサーチ調べ、関東。以下同)に終わった『オドオド×ハラハラ』(フジテレビ系)では、強めにアレンジされた曲のイントロを聞いて曲名を当てる『クイズ!チョメチョメ歌謡祭』というコーナーがスタート。

また、初回が4.6%、2回目が3.5%と、こちらも厳しいスタートとなった『ジョンソン』(TBS系)でもカラオケ企画が始まると噂されています」(民放バラエティ番組制作関係者)

 視聴率のためには、番組存続のためには、なりふり構わずブームに乗る必要があるということか。ただ、こんな状況がそんなに長く続くわけはない。

「カラオケ企画をやると確かに数字は伸びますが、せいぜい1ポイントか2ポイントというレベル。幅広い層が見ればスポンサーは喜びますが、スマホでぶつ切れで見られてしまうなら、ギャラの高い売れっ子芸人を使う必要はないわけで、カラオケ企画に手を出す番組を白い目で見る関係者は少なくありません。

 これだけ各局がカラオケ企画をやるということは、カラオケに代わる幅広い層が楽しめる企画を考えられるテレビマンがいないということ。守りに入れば入るほど、テレビの終えんが早まるということを本気で考える必要がありそうです」(前出・キー局関係者)

 こうなったらチャットGPTの力でも借りるか。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/11/18 13:00
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