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サイゾーから出版された小説が続々マンガ化され、単行本に…作者・沖田臥竜の想いとは?

ドラマが生まれる場所

マンガ『ムショぼけ』(原作:沖田臥竜、作画:信長アキラ)

「みんながやっているから、自分もやる」と、自分の信念と歪んだ社会への迎合との境界線すら曖昧になってしまっている昨今。『インフォーマ』と『ムショぼけ』から、「自分の人生を生きる」ということを今一度、考えてもらえると幸いである。

 そんなことよりもだ。見たか! オレさまの仕事量。昨年12月24日に小説『インフォーマ2』(サイゾー文芸)を出版し、2月29日には小説『ブラザーズ』(角川春樹事務所)、そして、3月18日にはマンガ『ムショぼけ~懲役たちのレクイエム~』(秋田書店)1巻、そして、マンガ『インフォーマ』の出版だ。

 どれだけ低賃金でエコで働いていると思っているのだ。なおかつ会社も経営しているのだ。はっきりいって、寝る暇もなければ、休みなんてものはない。

 でも仕事がないよりも、仕事が忙しいほうが何十倍、何百倍マシなのは確かで、忙しいことにどこかで満足しているし、そんな自分を誇りに思っていたりする。

 私はたった1人でやってきた。筆だけを握って身を立てようと考えたが、未来に保証なんてもちろんなかったし、何度も挫けそうになった。それでも書き続けて、物語を生み出し続けたからこそ今があるのだ。

 半年間、毎日3時間しか寝ずに、熱が半年間ひかなかったことだってあった。周囲の理解や評価なんて誰からもまったくなかった。応援なんて皆無で、耳を澄ませば「どうせそんなことをしても無駄なだけやって」という声しか聞こえてこなかった。それでも筆を折らなかった。今だって不安がないわけではない。

 それは『インフォーマ』の木原慶次郎だって、『ムショほげ』の陣内宗介だってそうだ。はたから見れば、強く生きている。だが、そんな単純なものではない。それが生きるということなのだ。

 それでも木原はいつだって、そんな陰を見せるようなことはしない。陣内は滑稽なほど、社会と折り合いをつけようともがき続けている。だからこそ、そこにドラマがあるのではないだろうか。

 木原や三島が仮に、匿名でネットに人の悪口を書いていたら、気持ち悪くないか。陣内が他人の不幸を読んで笑っていたら、気持ち悪くないか。それが当たり前の感覚なのだ。人に対しては気持ち悪いと思えても、自分自身がやることには、大抵の人間は自分なりの正義を盾にして正当化してしまう。だが、そのほとんどがどこまでいっても嫉妬の類いで、主人公になれない自分の人生が脚光を浴びることを望み、うっとりしたいだけなのだ。

 そんな人たちが他人から慕われることなんてないし、そんな人たちからは物語なんて生まれやしない。

 私は底辺から人が真似できないくらいは努力してきた。だからこそ、人と同じような物語を生み出すことはない。その信念や世界観が私の作品にも直結するし、実社会での人間関係の広がりにも関係してくるだ。

 もしも私にそうした感性がなければ、作品だっておもしろくないだろうし、『ムショぼけ』も『インフォーマ』も生まれていないだろう。

 小説でもドラマでもマンガでも、多くの人たちと作りあげてきた。どんな形であれ携わってくれた人に喜んでもらえ、それを読む人、観る人の記憶に残ることができれば、私は報われる。

(文=沖田臥竜/作家)


マンガ『インフォーマ -INFORMA- 1』
小学館/770円(税込)
2月29日発売。現在、amazonで予約受付中。

誰もが簡単に情報を発信できる時代に週刊誌の記者として働く・三島寛治。「正義を伝えたい」 信念を掲げ入社したはずが…今じゃクビ目前。そんな三島に訪れた、記者として一発逆転する最後のチャンス…それは、政治、芸能、裏社会、全ての情報に精通するという都市伝説の情報屋「インフォーマ」と繋がる最強のカード。
人生を賭けろ!伝説の情報屋「インフォーマ」と繋がり、人間の欲望と因果が渦巻く世界へ足を踏み入れろ。
ドラマ化もした、大ヒット原作を新機軸でコミカライズ!


マンガ『ムショぼけ ~懲役たちのレクイエム~』

秋田書店/759円(税込)
現在、amazonで予約受付中。

TVドラマ化もされた人気小説『ムショぼけ』を原案に描かれる任侠炎上ロマン! 自称元ヤクザのアウトロー系YouTuber・ヒロは、14年の服役を経て大阪刑務所より出所したある男に会いに行く。その男の名は陣内宗介。時は遡り平成9年。そこには徳島組の組員として熱く奔走する彼らの姿があった…。舞台は兵庫・尼崎。懲役を終えた一人の男の青春と懺悔。

小説『インフォーマ2 -ヒット・アンド・アウェイ- 』
サイゾー文芸/1540円(税込)


政治経済、芸能界はもちん、裏社会の情報にまで精通する「インフォーマ」を名乗る木原慶次郎と週刊タイムズ記者の三島寛治が再び巨悪に挑む。今回の相手は、SNSを駆使して日本中で犯罪を繰り返す新手のマフィア組織。その拠点があるタイ・バンコクへと2人は向かうが、真の敵として浮上したのは意外な人物だった――。元ヤクザにして豪放磊落な木原と取材能力よりも厄介を招く才能に長けた三島が下りなす「クライムアクション小説第二弾」

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)、『ブラザーズ』(角川春樹事務所)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

最終更新:2024/03/13 09:40
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