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週刊誌スクープ大賞

「まさか自分が……」住宅ローンが払えない! 忍び寄る“老後破産”の恐怖

 そんな不甲斐ない戦いをした巨人の中心選手が、ポストによれば、CS敗退の夜に六本木のクラブに現れ、VIPルームで女の子たちと合コンをしていたと報じている。

 あの日、私はあまりの情けない負け方に酒を飲む気にもならず、ふて寝してしまった。なのに、である。巨人ファンには許しがたい「蛮行」である。

 その2人とは、坂本勇人内野手と澤村拓一投手である。その上、阪神の選手も一緒だったというのだから、何をか言わんやである。

 坂本選手はVIPルームから出てこなかったというが、澤村投手は「ガンガン飲んで酔っ払った勢いで店内中央のダンスフロアに向かい、一般客に交じって踊りまくっていました」(常連客)

 澤村は今年二軍落ちするなど戦力にならず、CS第2戦でも先制点を与え、5回には危険球を投げて退場になっている。

 私のような巨人ファンがその場にいたら、なんという無様な負け方だとひとこと言ったかもしれない。巨人軍は球界の紳士たれという教えも、この連中は聞く耳持たないのであろう。

 巨人とヤンキースがあまり強すぎて、「くたばれ!」とののしられた昔が懐かしい。

 このところ、「老後破産」という言葉が週刊誌で目につく。嫌な言葉である。

 私を含めて、長い付き合いのあるフリーライターの多くがこうした事態に直面しているから、なおさらである。

 私事で恐縮だが、私が講談社に入社して週刊現代編集部に配属されたのは1973年の春だった。当時の現代のライター(データマン)の多くは大学時代に学生運動にのめり込み、除籍や退学になった強者たちだった。

 テーマが決まれば取材先に飛び出していって、締め切りの夜は「馬に喰わせるほどのデータ原稿」を書きまくった。当時はペラ(200字)1枚いくらという払い方をしていたから、内容はともかく、多く書いたほうがカネになった。

 取材力よりも腰の軽さが買われ、私の給料の何倍も稼ぐ若い記者たちがいた。だがこの商売、歳を重ねると収入が増えるという仕組みにはなっていない。大宅賞などを受賞した書き手でも、大御所過ぎて使いにくいと敬遠されて仕事がこないこともままあるのだ。

 60歳を超えると、さらに仕事は激減する。私と同年代でなんとかやっているのは、奥さんが公務員など現役で働いている人が多い。若いころ稼いだカネを貯めていて、老後の暮らしを立てているというライターはほとんどいないと思う。

 東京近郊に住んでいる某ライターは、電車賃がないといって都内に出てこないし、某先輩ライターは、家で倒れて救急車を呼んだところ、救急隊員に「カネがないから、病院には行かない」と、苦しい息の下で言い張った。

 こんなライター残酷物語は枚挙にいとまがないから、この辺で今週の文春の「老後破産」の記事について触れよう。

 文春では、千葉市郊外に住む65歳になる山田清志氏(仮名)のケースが紹介されている。山田氏は上場企業にいて、年収が1,000万円近くまでいったという。それに妻が働いていて、月収が40万円あったそうだ。

 94年、44歳の時に二階建ての建て売りを購入。頭金を1,000万入れて3,900万円の35年ローンを組んだという。月々12万円でボーナス時に30万円。住宅ローンが払えなくなるとは、夢にも思わなかったという。

 だが、定年を迎えるころに退職金が減額されて1,000万円に届かず、再雇用の条件も悪くなった。そして、定年を迎えてから人生が暗転する。妻が病気になり、医療費はかさむが収入は大幅に減り、貯金を取り崩して5年頑張ったが、とうとうボーナス時の30万円が払えなくなってしまったのだ。

 やむなく自宅を売却したが、600万円もの借金が残ってしまった。債権者と交渉して月3万円の返済にしてもらったが、それでも月20万円の年金だけでは、いずれ自己破産するしかないかもしれないと話している。投資もギャンブルも浮気さえしたことがないのに、と肩を落とす。

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