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「1体72万円!?」 中国“水死体引き揚げ”ビジネスで一攫千金を狙う漁師たち

003川の岸壁に書かれた「水死体を見つけたら連絡を」の“広告”

 しかしながら、同様の事件は今なお綿々と続いている。12月13日付「京華時報」によれば、陝西省のダムで17歳の少女の水死体が見つかった。発見したダムの従業員はすぐに通報せず、死体にロープをかけて水面に浮かせたまま、両親に連絡。両親が確認に駆けつけると、引き揚げ代として、6,000元(約12万円)を要求したという。交渉の下、両親は1,500元(約3万円)を支払ったが、法的に問題視されている。

 これらの事件に対し、上海市に住む中国在住歴20年の日本人は言う。

「09年の事件では、引き揚げ会社の船頭は60代の元清掃員。対して、亡くなったのは大学生。徹底した前金を要求するあたり、単に拝金主義だけでなく、世知辛い環境で生きてきた人たちの“社会への報復”という感じ。漁師にしても、ダムの従業員にしても、一攫千金のビジネスチャンスという認識でしかないのです」

 水死体の引き揚げがビジネスになってしまうことに驚くが、それよりも現場の警察や消防がなぜ動かないのか、という疑問も湧いてくる。いったい、この国はどうなっているのか?
(取材・文=ルーシー市野)

最終更新:2016/01/25 16:03
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