日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > セレブ作家の苦い過去が映画化
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.535

久々に再会した家族はホームレスになっていた!? セレブ作家の苦い実話もの『ガラスの城の約束』

両親から受けた影響は大人になっても消えず……

人気作家となったジャネット(ブリー・ラーソン)は、住所不定の生活を続ける両親に経済支援を申し出るが……。

 両親のようにはなりたくない。その一心で、成長した子どもたちは両親のもとを離れ、ジャネットは今のリッチな生活を手に入れた。でも、思いがけないところで少女時代の体験がうずくことになる。一流レストランに通うようになった今も、料理が残ると給仕に頼んでドギーバッグに詰めてもらう。少女時代にひもじい体験をしていたので、余った食べ物を処分することができない。型破りだった両親から受けた影響は、セレブ生活を送るようになっても消えないままだった。

 ウディ・ハレルソン演じる父親レックスはとても複雑で、興味深いキャラクターとなっている。若い頃からレックスはとても博学で、幼いジャネットたちに夜空に輝く星々の名前を教え、夜更けに目覚めて恐怖を感じたときにはどう対処すればいいのかも伝授してくれた。ジョーク好きで、とても愉快な父親だった。でも、理想を追い求めすぎるあまり、仕事はどれも長続きせず、借金ばかりが膨らんでいく。やがてレックスはアルコール依存症となり、家の中でも暴力を振るうようになってしまう。

 母ローズマリーは画家になる夢を捨てられず、彼女もまた生活能力に乏しかった。喰うに困ったローズマリーは、レックスの実家でしばらく世話になることを提案するが、父レックスは最後の最後まで反対した。実家で暮らす祖母アーマに会って、ジャネットたちは父が反対していた理由を知ることになる。祖母アーマは偏屈で、孫であるジャネットたちにも冷たかった。それだけでなく、ジャネットの弟ブライアンのズボンを脱がせ、性的な悪戯をしようとしていた。父レックスも子どもの頃に同じような目に遭っていたのではないか。レックスが早くに家を飛び出した原因を、ジャネットら子どもたちは理解することになる。

123
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真