日刊サイゾー トップ > 社会  > プレミアム付き商品券に地域格差?

プレミアム付き商品券、地方在住者から不満の声「田舎では何も買えない……」

内閣府公式サイトより

 10月1日に予定されている消費税率引き上げに合わせ、増税による負担の軽減を目的とした「プレミアム付き商品券」が各自治体で発売される。

 商品券は、4,000円で5,000円分の商品が購入でき、発行した自治体内の店舗でのみ使用可能だ。商品券の上限金額は、住民税非課税の低所得世帯では家族の人数、子育て世帯では3歳未満の子供の人数に2万円をかけたものとなる。

 内閣府は、低所得世帯と子育て世帯への増税による影響を緩和することと、地域経済を下支えすることを目的とした政策としているが、効率の悪さを指摘する声も根強い。

 プレミアム付き商品券には、割引分負担や、実際の発行手続きを担う自治体の人件費、券の印刷代など1,890億円が国庫から投入される。対象となるのは計2,450万人なので、一人当たり7,700円以上の税金が投入されていることになる。ところが、一人当たりの負担軽減は最大で5,500円にすぎない。だったら7,700円の現金を配ったほうがよいというわけだ。

 さらに、プレミアム付き商品券から得られる恩恵には、大きな地域格差があるようだ。

 中国地方の過疎集落に家族5人で暮らす30代の女性は話す。

「うちは住民税非課税世帯であることに加え、3歳未満の子どもが1人いるので、低所得世帯と子育て世帯の両方の要件に当てはまり、合計6人分の購入資格があるようです。つまり12万円で額面15万円分の商品券を手にすることができる。『総額3万円もお得になるなんて』と、喜んでいたのですが……。私たちの生活圏には、商品券の使える店舗がほとんどない。食料品を商品券で買おうと思っても、近所の商店では使えず、車で30分くらい先のスーパーまで行かなければならない。そんな状態なので、6カ月の有効期間に5万円使うのがやっとでしょうね。そもそも我が家の家計には、食料品以外のものを買う余裕はない。電気代などの公共料金の支払いには、商品券は使えないというし……」

 北関東の山間部に住む40代の男性も不満を漏らす。

「田舎だと、プレミアム商品券を使って地元の店で買い物をするよりも、ネットショッピングの方が安いことが多い。例えば家電を買おうと思っても、市内には昔ながらの街の電器店のようなところしかなく、多くの品がアマゾンで買うよりも2割以上高い。第一、店の品ぞろえもよくない。大型家電量販店がある自治体に住む人は、プレミアム商品券を使ってiPhoneなども買えるが、我々は買えない」

 地域経済の活性化をうたいながら、地域格差を生み出しているとは、なんとも皮肉な話である。

(文=高田信人)

最終更新:2019/09/04 18:00
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