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J-POP深読みコラム

“演歌界のプリンス”氷川きよしは、いかにして「解き放たれた」のか?

演歌はCD、ロックやポップスはデジタル配信という棲み分け

 もう1曲の「最上の船頭」は、船頭……舟歌である。ここでも過去の演歌/歌謡曲のマナーを踏襲しているのだ。

 そしてこの10月にリリースしたシングル「龍翔鳳舞」は、タイトルそのまんまの超ドラマチックなド演歌。堂々と響き渡る歌声が圧巻だ。

 かと思ったら、11月に、先ほどの「大丈夫/最上の船頭」の新たなカップリング曲として収録された新曲「確信」は疾走感の強いロック路線である。これもカッコいい。曲を書いた塩野雅はシンガーソングライターとして活躍している人だという。

 このように氷川の場合、基本的にCDシングルのメインで発売するのは演歌。付け加えれば、ダウンロードやサブスクに置いているのはアニソンやロック、ポップス路線の楽曲というふうに分けられているようだ(個人的には、今後のためにもDLとストリーミングで演歌の楽曲を解禁すべきではと思うが……まあ、これは別の話)。

 というわけで、氷川の現在までを見てきたが、この数年でロック/ポップス、それも妖艶、の路線にシフトしたのは、彼のキャリア上、大きいことに間違いない。ただ、以前からの動きを見ていると、そうした気配もなくはなかった。おそらく、ずっと解き放たれたかったのだと思う。

 そして……氷川の声は最初から伸びやかな印象があったのだが、それは自分がインタビューをした時の「アクのような強さとか押しつけがましいところが一切ない」というパーソナリティと一致している。

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