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“鯨食文化”を守るため国際機関を脱退…商業捕鯨の再開に踏み出した日本政府の意義

文=鷲尾香一(わしお・こういち)

イメージ画像/出典:acworks

 日本で31年ぶりに商業捕鯨が再開された。捕鯨はかつての活気を取り戻し、また、日本人の食卓に鯨食文化は戻ってくるのだろう。

 政府は2019年6月、商業捕鯨に反対する国との溝が埋まらなかったため、クジラの資源管理について話し合うIWC(国際捕鯨委員会)を脱退した。7月からは商業捕鯨が再開され、12月にはそれまで調査捕鯨を規定していた「鯨類科学調査実施法」が、商業捕鯨に開始に合わせて改正され、「鯨類の持続的な利用の確保に関する法律」として超党派の議員による議員立法として提出され、成立した。加えて、水産庁は商業捕鯨を支援するため、2020年度予算で51億円の予算を計上した。2020年から本格的な商業捕鯨が開始されることになる。

 ここで簡単に日本の商業捕鯨の歴史を振り返っておこう。

 日本人とクジラの関係は古い。江戸時代には、すでに庶民の間には鯨食文化が広まっていた。明治、大正時代を通じて、クジラは様々なものに利用された。鯨肉を食料としただけではなく、鯨油は燃料や潤滑油、石鹸などに利用された。

 第二次世界大戦が始まると捕鯨は中断されたが、敗戦後、日本を襲った深刻な食糧難の中でクジラは貴重なタンパク源として捕鯨が再開された。しかし、1946年12月にはICRW(国際捕鯨取締条約)が締結され、日本の商業捕鯨に“暗雲”が漂い始めた。1948年にはIWCが設立され、日本も1951年に加盟した。1960年代に入ると、IWCは捕鯨に対する規制強化に乗り出す。国別捕獲枠の設定や減少鯨種の捕獲禁止措置などが実施された。

 そして、1972年に国連人間環境会議で「商業捕鯨の10年間のモラトリアム(猶予期間)」の勧告が米国から提案され、採択される。同会議こそが現在の捕鯨問題に係わる国際紛争の原点となっている。

 余談だが、米国によるこの勧告の提案は、米国がベトナム戦争(1955年11月~1975年4月)で行った環境破壊が問題化し始めていたことで、この問題から議論をそらすために、突如提案したものだった。

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